4 / 6
榊家の子どもたち〜あさごはん編〜
*雅彪 sideの捏造過去話*
居間のローテーブルに並んだ、子どもたちの朝食。
メニューはご飯、味噌汁、焼き鮭、ほうれん草とチーズのオムレツ、半分に切ったミニトマトだ。
「「「「いただきまーす」」」」
「いたーちましゅ」
「はぁい、召し上がれ」
子どもたちの食事を作っているのは、俺の弟の環 流 。
本職は医者だが、食事は体調管理の基本だと言って全権を担っている。
環流は全体を見ながら、俺と片桐 は各々子どもたちの食事を手伝う。
これがなかなか大変だ。
「あ、よっちゃん、それはさっちゃんのミニトマトだろう?もっと欲しいの?さっちゃんも、ちょっと待ってな、切ってきてやるから・・・」
「雪 くん、味噌汁が・・・拭くので待ってくださ・・・あっ、真叶 くん待って、気持ちはわかりますが美 月 くんに自分のオムレツあげないでください」
「美月ちゃん、もぐもぐ上手だねぇ、うんうん、もうひと口食べてみよっかぁ?」
子どもたちと一緒に食事が出来る様になるのは、もう少し先なんだろうな。
こっちは食ってる暇なんてない。
それでも、好きな物をぱくぱく食べたり、嫌いな物を避けたり、ひと口だけ頑張って食べてくれたりするのを見ているのは、何と言うか、幸せだなと思う。
ただ、食べぐずりには少し手を焼いているが・・・。
「やーやっ!」
「え、やーやなの?美味しいよ?もうちょっと、もぐもぐしよう?」
「んんーっ!」
みっちゃんの食べぐずりが始まってしまった。
オムレツは完食したのに、他は殆ど手付かずの状態だ。
みっちゃん、それじゃ大きくなれないよ?
「おいで、みっちゃん」
環流と代わり、みっちゃんを膝上に座らせてスプーンを持った。
ほぐした鮭とご飯を混ぜ、スプーンに少し乗せてみっちゃんの口元へ。
「あーん」
「・・・ぁー」
「はい上手。もぐもぐして?」
「んむ・・・んむ・・・」
これが1番時間かかるんだよな・・・。
でも、食わせない訳にはいかねえし。
他の子たちは、なんだかんだで良く食うし、きっとでっかく育ってくれると思う。
みっちゃんは・・・大きくなる気がしねえんだよな。
だからこそ、たくさん食わせて出来るだけ大きく育つ様に手伝ってやらねえと。
ミニトマトを掴み、自ら口に運ぶみっちゃん。
その隙にご飯に味噌汁を混ぜ、ミニトマトの次に食わせようと待機する。
・・・みっちゃん、ミニトマトは飴じゃないぞ。
舐めてるだけじゃなくて、ちゃんと咀嚼 しような?
「ぱぱもぉ、どーじょ?」
半分のミニトマトをやっと食べ終わり、少しずつご飯を食べてくれていたみっちゃんの小さな手が、スプーンを持った俺の手を押し返した。
「ん?パパは食べたから、みっちゃんが食べな?」
おいおい、もう腹一杯なのか?
まだ半分も食ってねえぞ?
みっちゃん頼む、もうちょっと頑張ってくれ・・・。
ともだちにシェアしよう!

