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可愛い子と恐い人シリーズ
*第3者から見た美月 と駿河 *
【服屋の店員side】
ぱっと見、優しそうなお兄さんに見える・・・んだけど・・・。
「美月く〜ん、どっちの色がいい〜?」
「んー・・・こっち、かな」
めちゃカワな娘 と服を買いに来てるお客さん。
たまにひとりでも来てる。
カワイ娘ちゃんの前ではひたすら優しいお兄さんなのに、あの子が試着室に入った途端、声かけプロの店員さえ近付けない絶対零度のオーラを放つ。
・・・声なんてかけたら即死しそう。
たぶん、ジャマすんなって事よね・・・?
店員 が勧めなくても、いつも抜群のセンスで完璧なコーディネートして大量に買ってってくれるから、声をかける必要もないんだけどさ。
「着れましたぁ」
「お〜可愛い〜!あ、これに合わせた靴も欲しいな〜。靴屋さんにも行こっか〜」
「はぁい!」
今日も今日とて、あの娘のカワイさ爆上がりなアイテムを複数ご購入。
え、もう次行っちゃうの?
もっといてよ、カワイ娘ちゃんが店員 の癒しなんだから。
「・・・何か?」
「いっ!?いいえっ!失礼いたしましたっ!」
カワイ娘ちゃんをガン見しちゃってたら、すかさず絶対零度お兄さんが間に入って来た。
イケメンの冷めた作り笑顔、殺傷能力高過ぎ・・・心臓も肺もぎゅってなったわ。
「・・・あ、ねえねえ駿河さん」
「なんですか〜?」
いや、カワイ娘ちゃんに向ける顔が別人レベルなんですけど?
甘過ぎ、溶けそう・・・。
「このヘアバンドも、買ってください」
「いいよ〜・・・って、これ、持ってるよね?汚れちゃった?」
確か、先週来た時に買ってたわよね。
めっちゃ似合うんだろうなー。
着けてるの見たいー。
「あのね、顔洗う時、麗彪 さんにもしてあげたくて。あとみんなのも買お?みんなでお揃いにしよ?」
カワイ娘ちゃんに言われ、甘過ぎお兄さんがふわふわうさちゃんヘアバンドを手に取る。
みんなって、何人分かしら。
そこに置いてある同じのは3つだけど・・・。
「これ、あと4つあります?」
「ざっ、在庫を確認して参りますっ!」
なかったら許さん、という空気を読み取った私はバックヤードへ走った。
お願い、あって、あと4つあって・・・お願い・・・!!
「ぉ・・・おま、たせしました・・・こちら、で・・・」
「どうも」
神様、いや店長ありがとう、在庫用意しといてくれて!
「ぁ、ありがとーございましたぁー・・・」
今期新作の服と、お揃いのふわふわうさちゃんヘアバンド7つが入ったショップバッグを片手に、カワイ娘ちゃんと手を繋いで店を後にする甘過ぎお兄さん。
・・・どーゆー関係なんだろ。
兄妹?
まさか・・・恋人・・・?
「ねえ、あの人さぁ・・・」
2人を見送った私に、同僚が声をかけて来た。
「うん?絶対零度お兄さん?」
「うん。あの人、絶っ対ヤバい人だよ」
「え、まじ?なんで?」
「てか、あの娘の取り巻きみんなヤバい。ヤクザとかだと思う」
「ええっ!?」
彼女はあの娘が取り巻きとカフェでお茶してるのを見たらしい。
みんな背が高く、カワイ娘ちゃんへの対応は絶対零度お兄さんと同様激甘なんだけど、周りへの牽制が刺す様だった、と。
「常連さんだし、声かけちゃおっかなって思ったんだけど・・・半径2m内への侵入は許されなかった」
「あんた、声かけようなんてよく思ったわね」
「みんなイケメンだったのぉ!でも・・・まじで物理的に殺されそーな予感がしてやめた」
「あー・・・」
次の新作が出る頃に、また来てくれるんだろうな。
半径2m内に侵入しない様に、見守ろ。
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