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キスは初めて?
落ち込むカナタを慰めてやりたいと思ったのは確かだった。抱きしめて頭を撫でた。至近距離でじっと見つめられ、気付けば僕はカナタに抱きつかれ、キスをされていた。
少し驚いたけれど、嫌ではなかった。顔はまあまあ好みだし、性格も初対面の時はともかく、今は割と好ましいと思っている。何よりこの世界のために尽力する姿は尊敬に値する。僕は結構カナタが好きで、気に入っていた。
カナタはこういうことには慣れていないらしい。ただ押し付けてくるだけの拙いキスが可愛くて、下唇を甘噛みしたら、びくりと震えて、固まってしまった。
「キスは初めて?」
カナタは顔を赤くして答えた。
「えっと……高校の時に、一度だけ……」
「そう。僕はこの体では初めて」
カナタの頬を撫で、こちらから唇を重ねた。角度を変え、リップ音を鳴らして何度か口付ける。そして、唇の間に舌を這わせた。カナタが怯んで距離を取ろうとした。
「……ちょっと、キースさん」
「嫌?」
「え……あ……嫌、じゃない、けど」
嫌じゃないなら、と顎に手を添え、口付けを深くする。絡めた舌が熱く、甘い。少しの間楽しんで、顔を離そうとしたら、逆に侵入された。
「んっ……ぅ、んん……」
勇者の馬鹿力で後頭部を押さえつけられている。そんなことをしなくても逃げないのに。カナタの舌を吸って、軽く歯を立てて。顔を離した時には、唾液が糸になって切れた。
「えっと……なんか、ごめん。こんなこと」
カナタが謝ってきたので、その額にキスをして、笑った。
「顔色、良くなったな。良かった」
その後、僕とカナタは二人きりになるとたびたびキスをするようになった。特に魔族との戦闘があった日には、カナタは僕と同じ部屋に泊まりたがった。
カナタとの間に何かがあったと気付かれるまで、あまり時間は掛からなかった。支援部隊の責任者であるリーンダール王国第一騎士団のアーロン副騎士団長が、僕を呼び出して言った。
「キース殿。あなたは仮にも伯爵家のご令息です。あまり風紀を乱すような真似は」
そんなのカナタに言えと言いたい。あの馬鹿力で押さえつけられて、僕が逃げられると思うのか?
「一線を超えてはいませんよ。それに、戦闘に影響が出ているわけでもないでしょう」
面倒だなぁ。アーロン副騎士団長は子爵の地位を持っている。これは貴族の付き合いでもあった。
「国王陛下は、勇者様を王女殿下の婿にとお望みです」
無理だな。カナタは女性に興味がない。それに日本に帰りたがっている。とはいえ、これはカナタが自分で説明するべきことだろう。
「僕に言われましても」
「わかりませんか。身を引くようにと言っているのですよ」
「それでもし、カナタが失恋したと感じたら、魔王討伐どころではなくなるかもしれませんね」
「そこは上手く別れてくださいよ。あなたが勇者様を誑かしているのでしょう?」
「ちょっとお慰めしたのは確かですけど、誑かしたなんて。何も僕の方から迫ったわけではありませんし」
「しかし、勇者様はあなたにばかり頼っておられる」
それは僕が異世界人であるカナタの気持ちをいくらかでも理解できるからだけど。前世のことは言いたくないしな……
「カナタは僕が作った料理やお菓子を気に入っているようです。子供もお菓子をもらえば懐くでしょう?」
「勇者様を幼児扱いするのですか」
「まさか。言葉の綾というやつです」
アーロン副騎士団長は何かと理由をつけて僕をカナタから遠ざけようとした。ただ、勇者様の機嫌を損ねたくはないらしく、僕を睨んでくるのが鬱陶しかった。
カナタが大怪我をした。すぐに治癒されて後遺症もなかった。けれど、本人はなかなか立ち直れないようだった。無理もない。腕の良い治癒士がいなければ死んでいた。
宿の部屋に入ってすぐに、カナタは青白い顔をしたまま、僕に抱きついてきた。
「キースさん……俺」
「どうした、怖くなっちゃったか?」
カナタは答えなかった。それは肯定で間違いないだろう。
黒い髪を撫でてやる。つむじに口付け、抱き寄せる。
「大丈夫。カナタは強い。仲間もすごい人たちが揃ってるんだ。今回はちょっと運が悪かっただけだって」
「もし、またこんなことがあったら」
「もう一度治されるだけだよ。痛いかもしれないけど。諦めて慣れるしかないなあ」
僕が軽い口調で励ましても、カナタは浮かない顔をしていた。その唇をふにっと押して、耳元に囁いた。
「カナタ。今日はキスしないの?」
「………………する」
口内を蹂躙する舌を受け入れながら、黒髪に指を差し入れ頭を撫でる。カナタは僕をぎゅうぎゅうと抱きしめて、苦しいくらいだった。
カナタが僕とキスをしながら、前を硬くしているのには気付いていた。まあ、お互い様だ。僕も若いし。男だし。そういうこともしていないし。ひとりの時間を確保するのは難しくて、自分で処理するのもままならないんだ。
カナタが僕の脇腹に股間を擦り付けてきたのは無意識だったのかもしれない。うわあ、腰の位置そこなのか、と体格の差を改めて意識する。ゴリッと当たったモノが苦しげで。僕はつい、手を伸ばしていた。
「……流石にそれは」
服の上から撫でてやったら、カナタに手首を掴まれた。
「なんで? 駄目?」
「駄目って言うか」
カナタが赤い顔で視線を泳がせ、もごもご言った。
「その……今触られたら、ホント、持たないから。恥ずかしい」
「そんなの気にしなくていいのに」
大丈夫。わざわざ「早いな」とか言わないし。
「いや、でも」
「じゃあ、カナタが僕の触ってくれる?」
勇者が真っ赤になって、硬直した。
僕はカナタを座らせ、前をくつろげた。体格に見合った立派なモノが腹に付きそうになって濡れている。健気だなぁ。可愛い可愛い。このまま手でしてやるのもいいけど……
「カナタ。ちょっとだけ付き合って」
僕は下を脱いで、カナタの膝に乗るように座った。すっかり上を向いている自分のモノを、カナタのそれと合わせて擦り上げる。
「……ん、」
気持ちいい。熱くて生々しくて。カナタの感じている顔を見ながら、どこが良いのか加減していく。
「ぁ、駄目だって。キースさん……」
「出していいよ」
カナタの耳たぶをかぷりと噛んだ。
「う、あ……あぁッ」
カナタは小さく嬌声を上げ、腰を震わせ、白濁を吐き出した。その精液のぬめりも借りて、僕も達した。手がどろどろだ。
「キースさん」
カナタが僕の尻を撫でた。
「こら、カナタ。そこまでは駄目」
「なんで」
「明日僕が辛いから。馬車で座っていられなくなる」
体力の差を考えて欲しい。そっちは勇者。こっちは生産職。おまけに体は処女だ。好き勝手されたら身が持たないからな?
熱の篭った目で恨めしげに見つめられた。ホント可愛い。やっぱり童貞かな。童貞だろうな。キスにも慣れていないくらいだし。
いつか食ってやろうと思いつつ、仕方ないなと、もう一度手で抜いてやって、適当に拭いた後、洗浄魔法を掛けて眠った。
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