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カナタは僕の恋人です!

 初めての体に迎え入れたカナタのモノは異物感が強いし、大きすぎて苦しい。でも熱くて気持ち良くて、何より受け入れられたことへの満足感があった。 「はァ……気持ちいいな、カナタ?」 「キースさん、動きたい。動けない……」 「そうだな。動くなって言ったもんな」 「ぅ……あ、はあ……」  アウリールの薬はよく効いて、僕は痛みを一切感じていなかった。そっと孔の縁を撫でてみても、切れてはいないみたいだ。  ゆっくり腰を持ち上げて、またずぷずぷと下ろしていく。もどかしそうにカナタが呻く。  カナタは今、ベッドに手をつくこともできない。その上僕にのしかかられて、体幹が強くなければ座る姿勢も維持できなかっただろう。 「キースさん……」 「あ、ァ……気持ちぃ……」  自分の気持ちいい角度を探しながら、腰を上下させる。一度異物感で萎えた僕のモノも勃ち上がってきた。まるで、カナタを道具に自慰をしているみたいだった。 「お前……すごいね。ホントおっきい。苦し、けど、気持ちいい……ア、いいとこ、当たって……」 「う……ァ、キース、さん……俺、もう……ッ」 「ん、いいよ」  僕はカナタのギラギラした目を見つめ、触れるだけのキスをして、笑った。 「ほら、ナカに出しな」 「キースさん……!」 「あッ……あ、あ……」  カナタが上半身を後ろに倒した。背中をベッドにつけたことでいくらか動けるようになったらしい。下から突き上げられて、衝撃で目の前に星が飛んだ。 「あ、ん……はぁ、カナタ、気持ち……い、か?」 「う……ん、すっごく。はぁ、もう無理。出していい?」 「いいって言ってるだろ、あッ」 「んぅ、あ……あァ……ふ、ぅ……」  可愛らしく喘いでカナタが果てた。はあはあと荒い息をするカナタの上に倒れ込む。角度が変わったことで、ずるりと抜けて、その刺激がまた気持ち良くて体が震えた。  カナタの黒髪を撫でる。耳に軽く噛み付いて、囁いた。 「どうだった、ご褒美は?」 「は……あ、最ッ高……」 「そりゃあ良かった」  魔力でできた糸を魔素に分解して消した。拘束が解けたカナタとぎゅうっと抱き合って、深いキスを交わす。すぐに、カナタがまた力を取り戻したのがわかった。 「お前……元気だなぁ」 「だって。ずっとお預けされてた……」 「ん、そうだな。仕方ない」  何をどうされたのか、一瞬で上下が入れ替わった。そりゃ、勇者様の腕力なら、僕をひっくり返すくらい簡単だよな。 「あぁ、待って、カナタ。もっとちゃんとベッドの上に」  ここは縁だから落ちそうだ。  改めて組み敷かれ、顔中にキスをされた。 「キースさん。好きだ」  熱っぽく囁かれて、頭を撫でる。 「僕もお前が好きだよ、カナタ。この世界のためにありがとう、勇者様」  カナタの目がギラギラと欲を孕んで僕を見ていた。 「いいかな? なるべく、加減するから」 「……おいで。遠慮しなくていい」  僕は微笑み、自分の足を抱えた。  カナタの体力は流石は勇者という感じで、それに付き合うのは大変だった。散々喘がされて気絶しかけ、何度か引き戻されて。結局ぷつりと意識が途切れ、気付いたら朝。  かなりぼろぼろにされたけど、僕もちゃんとイケて気持ち良かった。嬉しくて幸せで、わざわざアウリールの所に行った価値はあったと思う。 「キースさん、大丈夫?」 「へーき。こうなると思ったから、強壮薬ももらってきてる」  この世界の薬は魔法薬だからよく効くのだ。アウリールの強壮薬は倦怠感も疲労も吹き飛ぶ優れものである。ただし値段が容赦ないけどな。  明日は国王と謁見という日、僕は実家に呼び出された。エッカート伯爵家の王都屋敷には、両親と一番上の兄、その伴侶である義姉が住んでいる。二番目の兄は領地の方で暮らしていて、そちらには可愛い姪がいたりする。 「キース。お前、勇者様とはどういう関係だ?」  おかえりのひと言もなく、父に聞かれた。 「すみません、父上。質問の意図がわかりません。どう、とは?」  父の眉がぴくりと動く。 「アーロン副騎士団長から聞いている。お前が勇者様を誑かしている、とな」 「それは何か問題でしょうか?」 「問題か、だと?」  父が不機嫌そうな声を出した。 「勇者様は王女殿下の婚約者になることが内定しているんだぞ」 「無理ですね」  僕はきっぱりと言った。 「勇者カナタはおそらく女性を受け付けないでしょう。本人がそのように言っていました」  実際に「どうしても無理」と言われたわけじゃない。でも、カナタは自分のことをゲイだと言った。もし女性もイケるなら、バイセクシャルを名乗るはずだ。 「媚薬でも使えばどうとでもなる」 「僕は反対です。それでカナタが幸せになれるとは思えません。王女殿下も」  父がため息をついた。 「そういう問題ではない」 「カナタ本人の幸せを無視すると?」 「国王陛下のご意向だ」 「この世界のために尽力してくれた異世界人に対し、恩を仇で返すのですか」 「キース。お前はリーンダール王国の貴族だ」  だから国王の決定に従えというのだろう。けれど、僕の隣に居たいからと、故郷も家族や友人との再会も諦めた勇者に、あんまりな仕打ちじゃないか。 「僕はカナタを手放すつもりはありません」  父の目が僕を通り越して背後を見た。その視線が合図だったのだろう。僕は複数の使用人に腕を掴まれ、拘束された。魔封じの腕輪を装着される。 「どういうことですか、父上」 「離れに閉じ込めておけ」 「父上!」 「王女殿下の婚約が正式に発表されるまで、大人しくしていろ」 「嫌だ、離せ!」  使用人たちを怒鳴りつけたところで、こいつらの雇い主は僕ではなくて父なのだ。口では「申し訳ございません」と言いながら、僕を押さえつけ、引き摺ろうとする。 「父上! 本当にそれで良いと思っておられるのですか!? カナタは僕の恋人です! 勇者本人の意思はどうなるのです!!」  抵抗虚しく、僕は離れに放り込まれた。建物全体に結界が張られ、僕が外に出ることはできなくなった。  カナタは本当に王女と婚約するのだろうか。媚薬でどうにかなんて、カナタも王女も苦痛でしかないだろうに。なんでそんな……勇者の子供でも欲しいのか? 「キース様」  侍従のひとりが心配そうに言う。 「少しは何か召し上がりませんと」  目の前には湯気を上げるスープとオムレツ。けれど、僕にはそれが少しも美味しそうに見えなかった。閉じ込められて丸一日以上。僕が口にしたのは水だけだ。  左手首の腕輪は外れなくて、魔力を糸にすることができないから《神器》も作れない。何もすることがない。暇で仕方がなかった。ふて寝でもしてやろうかと思っても、眠れなかった。 「なんのつもりだ、キース!」  父がやってきて怒鳴り声を上げた。僕はちらっとその顔を見て、すぐにまた視線を下げた。 「いつまでいじけている!? 食事くらいしろ」  要らない。欲しくない。耳が痛い。大きな声を出さない欲しい。 「そのまま飢え死にでもする気か!」  流石にそれは嫌だな。カナタに会えない。  僕がそう思った時。凄まじい音がして、建物全体が揺れた。 「何事だ!?」  父が叫ぶ。だから、耳が痛いって。 「キースさん!」 「……え?」  乱暴に開かれたドアから、入ってきたのはカナタだった。

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