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第3話
回帰する前の人生で父王は王妃に唆され、豊富な地下資源と鉱山を持つ隣国に無謀にも戦争を仕掛けあっさりと負けた。その責任を全部俺になすりつけ俺は捕らえられ余計なことを喋らないように舌を切られてその後何者かに毒殺された。
ユ―リを横に抱っこしたまま馬車に乗り込んだ。
さっきよりは顔色がいい。良かった。
ほっとしたのも束の間。俺は肝心なことを思い出した。
「あの女、戦争を仕掛ける」
「そうか、やはりな」
ウォルトは動じなかった。
「ここ五年天変地異が続きずっと凶作なのに、困窮にあえぐ国民をよそに贅沢三昧な暮らしをしている。それに反乱分子はことごとく捕らえられ即刻処刑されている。そういえばきみの妹との政略結婚を打診されている」
妹とは数えるほどしか会ったことがなくて、顔なんて覚えていない。あの女の娘だ。嫁がせた娘が隣国に入国するなり拉致されその後無惨な姿で発見された。警備を怠ったといちゃもんをつけて娘の弔い合戦と大義名分をかかげて隣国に侵攻し、戦争がはじまった。
「あの王妃の娘だろ?天地がひっくり返っても遠慮する。たとえ女性がその人しかいなくても絶対、死んでも選ばない。俺、考えたんだ」
にこにこと笑うウォルト。こういうときの彼はたいがい突拍子もないことを考えている。
「男が好きだからの理由で断るつもりだ。長年思いを寄せていた彼がようやく振り向いてくれてすでに婚約したと」
「は?」
耳を疑った。
「ユ―リがお前を好きになる確率は今のところほぼゼロじゃないか?奇跡が起きない限りは」
ウォルトの言う通りだ。
さっきはさっさとユ―リと結婚しろと言ったくせに。発言がころころと変わる。
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