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第4話

「婚約なんていつでも破棄できる。だから、婚約するぞ、俺たち」 「あの、ウォルト、意味がよく理解できないが」 「理解していないのはお前だけだ。色恋沙汰に疎い朴念仁だもんな。両親も相手がレイなら認めざるを得ないと言ってる。戦争を回避するにはこれしかない」 路頭に迷うのは国民たちだ。ユ―リが俺を好きになってくれるまで待てればいいが、今世は二十歳を越えられるか分からない。その間ユ―リが俺以外の人を好きになるかもしれない。一生部屋に閉じ込めておくために助け出したわけではない。 「分かった。婚約しよう」 「レイなら分かってくれると思ったよ。母上の兄であるベルモント公爵がレイを養子に迎えててもいいと言ってくれている。悪い話ではないだろ?」 「あのなウォルト、国家反逆罪で捕まえるぞ」 「国に見捨てられた辺境の極寒の地に金脈が見付かり、王妃の目の色が変わったとか、あの手この手で消しにくる。だから俺、考えたんだけど」 ものすごく嫌な予感がするのは気のせいか? うん、気のせいだよ にっこりと微笑むウォルト。絶対、何かを企んでいる。 領民や城で働いてくれる者たちが総出で俺たちを出迎えてくれた。 「ウォルト殿下の話題で持ちきりですよ」 側近であり補佐官をしている本物のミゲルにさっそく声をかけられた。 「ウォルト殿下と婚約されたとか、正気ですか?」 「少なくても俺は正気だ。ただウォルトが何を考えているかさっぱり分からない」 チラッと馬車を見た。

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