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第8話

「起こしましたか?」 女性っぽい艶やかなこの声の主はエレンさまだ。男性だけど中性的な容姿はエルフだから。不老不死だから年はとらない。ずっと俺と同じ年のままだ。広大な帝国の西の外れにあるという神殿で神官長をしているらしいが詳しいことまでは知らない。 「滅多なことでは姿を現さない貴方がなぜこのようなところに?」 「神官見習いをしていた子を保護していると耳にしてね。見に来た。聖女の弟だし、素質はあるだろうから、ちゃんと修行させれば一人前になるかなと。お節介だったかな?」 「いえ、そんなことはありません」 「ウォルトの婚約者がきみだと聞いて安心した。とんだあばずれを押し付けられると思っていたからね。それよりもどうしますか?」 エレンさまが天井に手をかざすと不思議なことに映像が流れてきた。 この旗印は我が国のものだ。軍がこの城に向かっているというのか。ウォルトの婚約者の座を俺に取られたからその腹いせか? 「国王陛下が婚外子のレイモンド卿に毒殺されと公的に発表しました。弔いのためにロナウド新国王が陣頭指揮をとり貴方を討伐するそうです。自分は生まれながらの正統なる血筋の国王である、賎しく穢れた血筋のレイモンド卿とは違う。帝王学もわずか十歳で習得した天才だからと豪語していますが、ろくに剣を握ったこともないのに大丈夫ですかね」

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