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第11話

城門を出ようとしたら、 「婚約者に出迎えてもらえるなんて。彼らを氷漬けにした甲斐がある」 まるで子どものようにはしゃぐウォルト。 「やりすぎだ」 「彼らはレイを殺しに来たんだよ。悪いことをしたらそれなりの報いを受けてもらわないと」 「ロナウド、いや、国王陛下は?」 「部下たちを見捨てて我先に逃げ出した」 銀色の瞳を持つ氷のドラゴンがウォルトの後ろに鎮座していた。 火を吹く赤いドラゴンを連れて来なくて良かったと思ったのも束の間。どんよりとした灰色の空が突如として二つに割れて赤いドラゴンが悠然と姿を現した。 「ここでは火を吹かないから安心しろ」 「ここではって、あのなウォルト」 何事にも限度というものがあるだろうに。 ロナウド国王陛下の護衛騎士団に襲撃され怪我をして担ぎ込まれた騎士の中に我が国の騎士も含まれている。目には目を歯には歯をだ。あとを追え ウォルトが命じると赤いドラゴンが大きな翼を広げて西の空へと飛んでいった。 北部から首都までは不眠不休で馬を飛ばしても十日以上はかかる。ここからもっとも近い町でさえ一週間はかかる。その町を治めているのは王太后の兄だ。おそらくそこに軍の拠点があって、ユ―リの姉もそこにいる可能性は十分ある。 ウォルトのことだ。すべて調べあげているんだろうな。 「殿下、ウォルト殿下、城のなかにお入りください。ブリザードが来ます」 ミゲルの声が聞こえてきた。 「レイ話しはまたあとだ。ブリザードが来る。城内に急いで避難するぞ」 ウォルトが声を張り上げた。

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