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第12話

ユ―リから話したいことがあると言われたとき嫌な予感がした。思い詰めたような表情で、言葉を選びながらぽつりぽつりと話しをしてくれた。 「僕、エレン様のところに行きます。修行すれば聖なる力が開花する。そうすればもとの世界に戻れる可能性がある、その言葉を信じてみようと思います」 「ユ―リ、エレンさまとマリウス卿に何を言われたか知らないが」 「僕は大丈夫ですから。殿下は皇太子殿下とお幸せになってください。助けていただいてありがとうございました。短い間でしたが殿下と一緒に過ごした日々は楽しかったです。神殿に行っても決して忘れません」 俺に心配をかけまいとにっこりと笑うユ―リ。 「懸命な判断だ」 ウォルトが寝室に入ってきて、俺とユ―リの間に割り込むようにして腰を下ろした。 「きみの寝室は別にあるのだろう?一人で寝れないと聞いた。エレンさまに一緒に寝てくれるように頼んであるから、神官の修行についてあれこれ聞いたらいい」 「はい、分かりました」 一瞬寂しそうな表情を浮かべるユ―リ。 おやすみなさい。ふらふらとふらつきながらも立ち上がったユ―リを呼び止めようとした矢先、 「ユ―………」 猛烈な眠気に襲われた。なんだこれ。自分の体なのに言うことを聞かない。体が思うように動かない。 「殿下!」 驚いたようなユ―リの声。それに対しウォルトは、 「大丈夫だ」 怖いくらいに落ち着いていた。一切取り乱す素振りを見せず普段通りの彼だった。

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