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第17話

「お久し振りです、レイモンド卿」 にっこりと微笑む司祭。 「ジルさまご無沙汰しております」 先に着いているはずのエレンさまとユ―リの姿がなくてキョロキョロとあたりを見回していると、 「エレンから運命の番が見付かった。すぐに結婚式を挙げると言われ準備して待っていたんですが、挨拶もそこそこに番さまを抱っこしたまま奥の部屋に行ってしまいました。この三百年間いるからいないか分からない運命の番の存在を信じ、辛抱強く待ち続けていましたからね。命が尽きる前に待ちに待った番が見付かり、することといったら一つでしょう?」 「一つ?」 「子どもを作ることですよ」 「いや、いや、ユ―リは男だ。男が妊娠するわけない」 「この神殿にはエレンの強大な魔力と聖なる力が満ちています。ここ数百年私たちエルフには男子しか生まれない。命を繋ぐためには子をなすのが必須。人間の女性の番が現れるのは稀なこと。ですから男同士でも妊娠することが出来るようになったんですよ。エレンは相当焦っていました。それもそうです。番さまはエレンではない違う男を好きだったようですから、エレンも強行手段に出るしかなかったんでしょうね。北部へ出発する時、三百年待っていられたんだ。好きになってくれるまで何年でも待つとエレンにしては珍しく可愛らしいことを言っていましたが、愛しい番さまを前にしたら理性なんて呆気ないものです。欲望のままに……」 「ジルさま、時間がないのでそのくらいにしてください」 ウォルトが言葉を遮った。

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