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第48話 広報チーム始動・2
手を上げた女子社員に話をしてもらった。
「会長が……というか、颯太さんとお呼びしてもいいですか?」
うんうんと二人で頷いた。
「サイトを拝見して、今は療養中でいらっしゃること、そして昨日声が復活されたことを前提にお話します。
まず、今のサイトを私たちに管理させていただけないでしょうか?
声が出ない間は公表すべきではないと思っていましたが、今こうして復活されたので、何か小さなメッセージでもいいので発信した方がいいと思うんです。
例えばインスタと連携するとか……せっかくのファンの方々がいるので、つながりを保っておいた方が、今後音楽活動を再開する際にも“売りやすい”というか、スムーズにつながると思うんですよ。
手間のかかることは全部こちらでやりますし、颯太さんのご希望を100%尊重します。
昨日の歌を聴かせていただいて、本当に勿体ないと思ったんです。
ファンの方もきっとすごく待っていると思います。
なので、途中経過的な発信はしてもよろしいのではないかと考えました」
そこで、別の女性スタッフがサッと手を上げた。
颯太「あ、はい、どうぞ」
「サイトは開けておいた方がいいと思ったんです。
仕事をしないにしても、音楽の依頼だけが来るとは限りません。
例えばチャリティー、海外映画の主題歌、作曲依頼……
あるいは小学校の校歌を作ってほしい、なんて話も過去には有名歌手にあったそうです。
だから、窓口として私たちが対応しますので、ぜひやらせていただけないでしょうか?
コンサートがハードなら、いくらでもそれ以外の形でつないでいく方法はあります。
それを全部塞いでしまうのは、本当に勿体ないことです。
動画サイトにもチャンネルを作った方がいいと思うので、ぜひそこを担当させていただけませんか?」
颯太を見ると、ニコニコしている。
「颯太、聞かれてるよ。俺は“もっともだなあ”って思ったんだけど、どう?」
みんなの視線が一斉に颯太へ向かった。
「はい、全部お願いします。
詳しくは毎日でも話し合いましょう。ここに来てください。
今はまだ何も考えていませんが、いろいろお願いしたいので、どうぞよろしくお願いします。
それと、皆さんの顔と名前を覚えたいので、写真を撮らせてください。いいですか?」
「はいっ!」返事が揃った。
「じゃあ、名札を顔の前に持ってきてもらえる?」
「うん、その方がいいよね?」
颯太は嬉しそうに、一人一人の写真を撮っていた。
「では、どうする? 話し合いの時間を決めておけば? 毎朝10時とかどう?」
颯太「はい、そうします。でも皆さんはどうですか? 他のお仕事もあるんじゃないですか?」
スタッフ全員が課長の顔を見る。
「あ、ああ……はいはい。結構です。何とでもなりますので、かまいません」
ワーッと全員が拍手した。
なぜか颯太まで一緒に拍手していた。
颯太「では、朝10時から話し合いをしましょうか? ここへ来ていただけますか?」
院長「そうだ、せっかく来てもらえるなら、事前に何かアイデアをプリントして持ってきてもらったら分かりやすいんじゃない?」
「あ、いいかも。いいですか?」
颯太が尋ねると、
「はい、承知いたしました!」
うわ〜、声が揃ってる。パワーがすごい。
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