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第60話 楓の大作戦
「まずさ、出掛ける時は……百貨店に行くとするとさ」
◆ 車両構成
・1台目:先行車(SP)
・2台目:颯太+院長+SP(メイン車両)
・3台目:院長の家族(随伴車)
「こういう順序で車が走るんだって」
「へえ〜」
ちなみに、楓が乗りたい場合はメイン車両に同乗してもOKらしい。
ただし、SPが許可すればの話だ。
「百貨店みたいに大きくて確実に駐車場がある場所ならいいんだけど、全くない店もあるだろう? そういう時は路上にエンジンをかけたまま待ってるらしいんだよね。
で、2台目はその辺の止めやすい所で待機するんだって」
「じゃあ、駐車場があるところじゃないとダメじゃん」
淳一が驚いている。
「うん。だからSP付きの人がよく行く場所がいいのかなあ? どこだろう?」
「この辺でそういう場所だと、表通りのインターナショナルスーパーマーケットじゃない?」と楓。
「うん、そこしかないかな。あとは百貨店で買うかだな」
「あら、百貨店ならうちの外商さんを紹介するわよ。昔から出入りしてくれてるから、全部届けてくれるわよ。それに値引きしてくれるしね。荷物を持たずに済むから便利よ〜」
ふっ、母は恵まれてるからな。(笑)
「そうだね、買い物に行く場所は決めておいた方がいいかもね。向こうも慣れてるところじゃないと」
楓はこういう時、本当に積極的だ。
「あとね、美容院や洋服を買うところは? 颯太はどうしてるの?」
「ええと……分からないんです。いつも連れていかれるので。洋服はスタイリストさんです。自分ではほとんど買わないです」
「じゃあ、私が行ってる美容院にする? おしゃれにしてくれるわよ。
兄貴も少しはおしゃれしたら? 颯太と合わなくなるよ。
それにスタイリストさんが付いてたんだったら、また頼まないといけないんじゃないの?
街で写真を撮られることもあるでしょう?」
「あ、考えなかった。どうしよう……上川さんに聞いてみるよ」
「先生、俺、美味しいパン屋さんにも行きたい」
「そうだよね。どこがいいかな? 探さないとダメだね」
「あ、今調べてあげるよ。美味しいパン屋さんが入ってて、SPが車を停めやすい所ね」
「あとさ、カフェも二軒くらいお願いしておいたら? 気晴らしにいいじゃない?」
淳一が良いことを言ってくれる。
「あ、そうだ。ミツワタワーの表側は店舗が結構入ってるし、上がホテルだから一度入ってもいいかな? そこでもいいかな」
「先生、散歩に行きたい時はどうするのかな? 公園とか行きたいけど」
「それは事前に言わないといけないみたいだよ。その代わり、一緒に歩いてくれるらしいよ」
「うわ〜なんだかSPも大変だねえ」
父もびっくりしている。
「いいんじゃない。どうせSPって高給でしょう?」
淳一はこういうところが妙に冷めてる。
「ふ、多分ね。すごく訓練されてるらしいよ」
そんな中、楓が突然、一大計画を立てた。
「颯太、私たちも皆で警備されてる実感を味わいに行くからよろしくね!」
颯太は苦笑しながら頷いていた。
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