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第73話 復学のスケジュール

先生が提示してくれたカリキュラムは、 • 月 9時〜10時半・必修・英語 • 水 9時〜10時半・必修・第二外国語 • 金 9時〜10時半・芸術論 だけが大学で、 午後は14時〜16時、会長室で学習(月曜から金曜まで)。 ありがたいほどゆったりとしたスケジュールだった。 もう理想的で助かるよ。 颯太が医学部じゃなくて本当に良かった。 そこへ先生が思い出したように聞いた。 「そうだ、第二外国語は何を専攻していたのですか?」 「中国語です」 「ああ、そうなんですか。もしかしてそちらも小さい頃から習われていたんじゃないですか?」 颯太がくすっと笑った。 「そうなんですよ。父の教育方針らしいのですが、直接指示されたわけではないんです。将来必要だから、ということらしいんです。執事から聞いたんですよ」 「やはりお父様は企業家でいらっしゃいますね。合点がいきますよ」 「颯太、そうだったの?お父さんはすごいね!」 ふふふと笑っていた。 「では明日、大学に復学の手続きに参りましょうか? 私も同行いたしますので、佐久間先生も一緒に行かれますよね?」 「はい、もちろんです。どうぞよろしくお願いします」 翌日、大学の入り口で待ち合わせをした。 SPも一緒だから、気を使わせたかもしれない。 キャンパス事務センターの文学部宛てに、メールだけ先に送っておいた。 ゾロゾロとSP先導で歩いていくと、担当者らしき人がすぐに立って受付に来てくれた。 目立つもんな(笑)。 「立花さんと佐久間さんですね?お待ちしていました」 復学の書類は書いただけで、あっけなく終わった。 そしてカリキュラムについて説明しようとしてくれたが、そこで白石先生を紹介し、作ってくれたカリキュラムを提出して見てもらった。 「ああ、いいですね。はいはい、かしこまりました。立花さんにはすごくいいですね」 そのまま簡単に通って、具合が悪い時は無理をしないで休んでいいと言ってくれた。 そして、SPも教室の後ろで座ってくれた方がいいということだった。 立ったままだと他の生徒が緊張するからだそうだ。 確かにそうだし、第一疲れるだろうから申し訳ないよ。 この話はそばにいるSPにも伝えていたので、了解してくれていた。 そこで全て終了し、帰ることになった。 今日の勉強は14時からなので、その時に会長室に伺いますということだった。 「今日は今まで習っていたところを見せてください」とのことだった。 車に一緒に乗って帰るようにお誘いしたのだが、 「緊張しそうなので」 とご辞退された。申し訳ない。 今朝は郊外のキャンパスまで車で50分かかった。 結構遠かった。 颯太は朝7時起きで、8時に家を出ればいいか。 車に乗った。 「颯太、明日から大学だから8時に家に迎えに来てもらおう。それで9時からの授業に間に合うかな?もっと早く家を出る?」 「う〜ん、10分くらい早く出る」 「そうか、じゃあ7時50分出発だね」 「うん、そうする」 明日からのスケジュールはSPにも渡したし、メールでも送っておいた。 「疲れてないか?」 「ううん」と言いながら俺に寄りかかって手を重ねた。 そして目をつぶった。 そのまま上半身を倒して膝枕にして寝かせた。 愛おしい。 なんだか自分を持て余すよ。

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