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第74話 お子ちゃま
ミツワに戻ると11時半くらいだった。
「颯太、お昼は何を食べたい?」
「ええ〜っと、親子どんぶり」
「じゃあ、お蕎麦屋さんだね。ちょっと早いけど行こうか?」
「うん、行く」
上川秘書に今日復学できたことと、今後のスケジュールを渡した。
それと、お蕎麦屋さんに行くことも伝えた。
「颯太、お蕎麦屋さんに行こう」
SP先導で33階に降りる。
そのままホテルに出て1階へ。入口を出てお蕎麦屋さんに入った。
まだそれほど人はいなかったから良かった。
親子どんぶりはすごく美味しかった。
久しぶりだったな。やはり和食はいいねえ。
「颯太、今まで習ってたところは覚えてるの?」
「う〜ん、それを思い出そうとしてるんだけど……なんだっけ?もう俺アウトだ」
「いいよ、じゃあ最初から見てもらえばいいでしょう?」
「うん、そうする」
「それでね、颯太が大学に行ってる間は、俺は病院で仕事をするよ。でも颯太がミツワに帰る時間には行くから、お昼は一緒に食べよう。あと食べた後は昼寝の時間だからね。いい?」
「うん、わかった」
「それで先生が14時に来るだろう?その時は俺は家に帰るよ」
「え?なんで?そばにいてくれないの?」
「俺がそばにいると集中できないでしょう?ちゃんとしっかり勉強しないと駄目だよ」
そう言われると、颯太は悲しそうに俯いてしまった。
本当は颯太が他の男のそばにいるのを見たくなかった。
「その代わりに16時になったら迎えに行くよ」
「うん、わかった」
「じゃあ、ホテルのカフェに行こうか?」
お蕎麦屋さんを出てホテルに戻り、5階のカフェに行った。
今日のカフェはお昼時のせいか混んでいた。
颯太が小さな声で囁いた。
「先生、あとで一緒に寝て欲しい」
急に撃ち抜かれて抱きしめたい衝動にかられた。
「うん、分かった」
可愛くてたまらない。
なんでここで言うかな?
カフェでは俺はコーヒーにしたが、颯太はストロベリージュースを飲んでいた。
やっぱりお子ちゃまか?
それでもストロベリーが似合うから困る。
「颯太、勉強でちょっとでもひっかかることがあったら、なんでも先生に聞くといいよ」
「うん、そうする」
「わかったふりして見栄張るのは一番首を絞めるぞ」
颯太がぷーっとふくれた。
「もう〜俺は見栄を張らないもん」
「はは、そうだったね」
「ね、先生は着替えを持って来てる?」
「ううん。ないよ」
「ええ〜、持って来て欲しいよ~」
まさかのちょっとイヤイヤをした。
思わず誰か見ていないか見回してしまった。
「俺は仕事中なんだからさ、そういうわけにいかないでしょ?」
「じゃあ、お昼ご飯は家で食べる。大学からまっすぐ家に帰る」
「うん、それでもいいよ。颯太が帰る前には家にいるようにするよ。その代わり会社に行く時は一人で行くんだよ」
「うん……わかった……」
会長室に戻ると、二人で歯磨きをした。
颯太は着替えだ。
俺はスーツのズボンだからちょっと困るな。
そこでSPさんにお願いした。
「会長が13時50分まで休むので、誰も入れないで欲しいんですけど、いいですか?」
「はい、承知しました」
よし、これでいい。
個室の鍵をかけて、携帯のアラームをセットした。
ズボンを脱いで下着のまま颯太とベッドに入った。
もう、待ってましたとばかり、颯太が抱き着いてきた。
もうかわいすぎる。ぎゅと抱きしめた。
「これでいい?」
ううんと首を振った。
「うん?なに?」
颯太の手が俺の中心をそっと撫でた。
「颯太、そんなことで勉強に身が入るの?」
「うん、しないと集中できないと思う」
「ぷっ、夜まで待てないの?」
「うん」
もう颯太は目をつぶって唇を尖らせた。
誰が教えたんだ?こんなことを......。
でもズボンを脱いだ時点で俺の負けは見えてたな。
颯太にキスを重ねて‥‥‥あ、ローション。
カバンの中だ。「ちょっと待って」
ベッド脇に置いてるからすぐ取れるけど、
まさか会社に置いておくわけにはいかないもんな。
颯太を全力でイカせて眠らせないといけない。
大至急だ。時間が無くなるだろ。
そして仕事を遂行した。
もちろんごみは回収してカバンの中へ
証拠を残すな。あー焦る。
忘れないうちにローションをカバンに戻した。
颯太はイクとすーっと気持ちよさそうに眠った。
ふ、かわいい。
やっぱり何もないままだと寝にくいのかな?
かと言って俺は目が冴えて眠れない。
ここは会社なんだ。当たり前だろう。
収まりが利かない自分を無視して、なんとか服を着て椅子に座った。
そして眠る颯太をじっと見つめていた。
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