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第105話 初めてのヒート・2*
それから最初の山は収まった。
俺が自分の出したものを飲ませたから。
不本意だったけど、颯太は何も食べていないし、ろくに水も飲まない。
これじゃあ、終わるまで身体が弱いのに続かない。
颯太は力尽きたように眠っていた。
俺もなんだか身体がぼーっとしている。
我ながら情けない。
なんとか起き出して台所に行った。
颯太に食べさせないといけない。
冷凍のうどんを出して、少し麺を切って作った。
半熟の玉子と、冷凍しておいた茹でたほうれん草とネギも少し入れよう。
水と一緒に寝室に持って行った。
颯太の肩を軽く叩く。
「颯太、目を開けられる?」
うっすらと目を開けた。
「少し起きて食べよう。水も飲まないと駄目だよ」
無理やり上半身を起こして俺もベッドに入り、背中側から抱えて支えた。
ぼーっとしていたけど、先に水を飲ませた。
「おうどんだよ。少しでもいいから食べよう」
フォークで少しずつ食べさせた。
「先生、ありがとう」
「うん、いいよ、少しでも食べないと保てないよ」
「卵は食べられる?黄身を吸っちゃおうか?」
スプーンで黄身だけを口に運んだ。
すーっと吸い込んでくれた。よしよし。
今度はうどんつゆをスプーンで飲ませた。
そうして半分くらいは食べられた。良かった。
水も飲ませて、そのままじっとしていた。
俺の肩に頭を預けて目をつぶっていた。
愛おしくてぎゅと抱きしめた。
「颯太、愛しているよ。今度山が来たら、番になってくれる?」
「うん」と返事してくれた。
「今からここを消毒しておこうかな?」とうなじを撫でた。
ふっと颯太が笑った。
「どれくらい噛んでいいのか分からないよ......、だって颯太が痛いでしょう?」
「先生、いいからやって。俺分かんないから......」
「うん、そうだね」なんて言いながらも、
しっかりとうなじを消毒綿で拭いておいた。俺はバカか。
「スース―する」と颯太が微笑んだ。
「果物食べられる?」
「ううん、もういい」
「じゃあ、トイレに行っておこうね」
颯太を抱いてトイレに連れて行った。
今はぐっすりと穏やかに眠っている。
その間に俺が食事を済ませた。
今度は蒸しタオルを作って颯太の身体を拭いてやる。
バスタオルを交換して、俺はシャワーだ。
その後はしばし一緒に休んだ。
どれくらい休んだかは分からないけど、颯太が俺の手をさがしていた。
「どうしたの?」
「先生、なんか、またきたぁ......はぁ......うっ......」
俺もまたぼわっと濃厚な匂いに包まれた。
ああ~また俺の血が逆流する。
どうにも__ああ~、頭がいっぱいになって何にも考えられなくなる。
まるで暴力のようだ。
「せん、せい、さわってぇ~、熱い~」
「うん、熱いね」
ローションをつけて指で後ろを撫でてぷすっと中に入れた。
丁寧に解すようにして、前立腺を撫でてやった。
「あ、あ、ヤダ~、イクっ、はあん~、」
ぴゅっと飛び散った。
背中をぎゅっと爪を立てられたような気がする。
ふふ、もっと撫でてやる__。
「もう、ヤダから、はやく、おねがい、入ってぇ~」
ゴムを付けてブスっと中に入って動いた。
「あ、あ、ああ~ダメ‥‥‥、ああ・・気持ちいい」
「颯太愛してるよ」
もっと動いてめちゃめちゃにしたくなった。
ハア、ハア、と俺も息が荒くなる。
「ああ、あーやってぇ、今やってえ~」
「いいの?」
「うん、嚙んでぇ~」
颯太の向きをうつ伏せにした。
「行くよ」被さるようにつながったまま、
うなじをすりっと撫でて、思いっきり噛んだ!
「ああーっ!いた~い‥‥‥」
颯太が泣いてしまった。
「颯太、ごめんね」口中が血生臭くなった。
自分の口をティッシュで拭うと、枕元に置いていたカーゼを颯太のうなじに当てた。
噛んだところから血が出ていた。
そのまま身体を抜いて離れると、颯太はうつ伏せのまま突っ伏して、ため息のように息を吐いていた。
すぐ傷を消毒して薬をつけた。
減菌ガーゼを当ててテープで止める。
こんなに颯太を傷つけて......、俺の方が泣きたくなる。
これでどうなるんだろう?
番になれたのかどうかさえ分からない。
後日、血液検査をすれば分かる。
なんて不確かなんだ......。
これで失敗していたら、俺はただの犯罪者だな。
颯太をそっと仰向けにする。
おしぼりで涙を拭った。
「颯太、お水を飲もう」
頭を少し上げて吸い飲みで飲ませた。
つーっと唇の端からこぼれていく。
ダメだ。
洗面所に行って自分の口をゆすいだ。
ベッドに戻り、
「颯太お水を飲むよ」
声を掛けてから、口移しで水を飲ませた。
今度はすーっと飲めたようだ。良かった......。
颯太はぐったりとして眠っていた。
ああ~どうなんだろう?
分からない......。
不安なまま、颯太を抱きしめて眠った。
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