105 / 116

第105話 初めてのヒート・2*

 それから最初の山は収まった。 俺が自分の出したものを飲ませたから。 不本意だったけど、颯太は何も食べていないし、ろくに水も飲まない。 これじゃあ、終わるまで身体が弱いのに続かない。 颯太は力尽きたように眠っていた。 俺もなんだか身体がぼーっとしている。 我ながら情けない。 なんとか起き出して台所に行った。 颯太に食べさせないといけない。 冷凍のうどんを出して、少し麺を切って作った。 半熟の玉子と、冷凍しておいた茹でたほうれん草とネギも少し入れよう。 水と一緒に寝室に持って行った。 颯太の肩を軽く叩く。 「颯太、目を開けられる?」 うっすらと目を開けた。 「少し起きて食べよう。水も飲まないと駄目だよ」 無理やり上半身を起こして俺もベッドに入り、背中側から抱えて支えた。 ぼーっとしていたけど、先に水を飲ませた。 「おうどんだよ。少しでもいいから食べよう」 フォークで少しずつ食べさせた。 「先生、ありがとう」 「うん、いいよ、少しでも食べないと保てないよ」 「卵は食べられる?黄身を吸っちゃおうか?」 スプーンで黄身だけを口に運んだ。 すーっと吸い込んでくれた。よしよし。 今度はうどんつゆをスプーンで飲ませた。 そうして半分くらいは食べられた。良かった。 水も飲ませて、そのままじっとしていた。 俺の肩に頭を預けて目をつぶっていた。 愛おしくてぎゅと抱きしめた。 「颯太、愛しているよ。今度山が来たら、番になってくれる?」 「うん」と返事してくれた。 「今からここを消毒しておこうかな?」とうなじを撫でた。 ふっと颯太が笑った。 「どれくらい噛んでいいのか分からないよ......、だって颯太が痛いでしょう?」 「先生、いいからやって。俺分かんないから......」 「うん、そうだね」なんて言いながらも、 しっかりとうなじを消毒綿で拭いておいた。俺はバカか。 「スース―する」と颯太が微笑んだ。 「果物食べられる?」 「ううん、もういい」 「じゃあ、トイレに行っておこうね」 颯太を抱いてトイレに連れて行った。 今はぐっすりと穏やかに眠っている。 その間に俺が食事を済ませた。 今度は蒸しタオルを作って颯太の身体を拭いてやる。 バスタオルを交換して、俺はシャワーだ。 その後はしばし一緒に休んだ。 どれくらい休んだかは分からないけど、颯太が俺の手をさがしていた。 「どうしたの?」 「先生、なんか、またきたぁ......はぁ......うっ......」 俺もまたぼわっと濃厚な匂いに包まれた。 ああ~また俺の血が逆流する。 どうにも__ああ~、頭がいっぱいになって何にも考えられなくなる。 まるで暴力のようだ。 「せん、せい、さわってぇ~、熱い~」 「うん、熱いね」 ローションをつけて指で後ろを撫でてぷすっと中に入れた。 丁寧に解すようにして、前立腺を撫でてやった。 「あ、あ、ヤダ~、イクっ、はあん~、」 ぴゅっと飛び散った。 背中をぎゅっと爪を立てられたような気がする。 ふふ、もっと撫でてやる__。 「もう、ヤダから、はやく、おねがい、入ってぇ~」 ゴムを付けてブスっと中に入って動いた。 「あ、あ、ああ~ダメ‥‥‥、ああ・・気持ちいい」 「颯太愛してるよ」 もっと動いてめちゃめちゃにしたくなった。 ハア、ハア、と俺も息が荒くなる。 「ああ、あーやってぇ、今やってえ~」 「いいの?」 「うん、嚙んでぇ~」 颯太の向きをうつ伏せにした。 「行くよ」被さるようにつながったまま、 うなじをすりっと撫でて、思いっきり噛んだ! 「ああーっ!いた~い‥‥‥」 颯太が泣いてしまった。 「颯太、ごめんね」口中が血生臭くなった。 自分の口をティッシュで拭うと、枕元に置いていたカーゼを颯太のうなじに当てた。 噛んだところから血が出ていた。 そのまま身体を抜いて離れると、颯太はうつ伏せのまま突っ伏して、ため息のように息を吐いていた。 すぐ傷を消毒して薬をつけた。 減菌ガーゼを当ててテープで止める。 こんなに颯太を傷つけて......、俺の方が泣きたくなる。 これでどうなるんだろう? 番になれたのかどうかさえ分からない。 後日、血液検査をすれば分かる。 なんて不確かなんだ......。 これで失敗していたら、俺はただの犯罪者だな。 颯太をそっと仰向けにする。 おしぼりで涙を拭った。 「颯太、お水を飲もう」 頭を少し上げて吸い飲みで飲ませた。 つーっと唇の端からこぼれていく。 ダメだ。 洗面所に行って自分の口をゆすいだ。 ベッドに戻り、 「颯太お水を飲むよ」 声を掛けてから、口移しで水を飲ませた。 今度はすーっと飲めたようだ。良かった......。 颯太はぐったりとして眠っていた。 ああ~どうなんだろう? 分からない......。 不安なまま、颯太を抱きしめて眠った。

ともだちにシェアしよう!