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§27-2 愛に溺るる花筏*
しばらくそのまま舌を絡めていたがグレンが動き出す。
グレンの手が俺の欲に触れる。先走りはすでにふぐりにまで垂れていて、グレンの手を濡らす。滑りが良くなったことで快感の波が大きくなる。
自分の体液でグレンの手が濡れる事実がまた胸を焼く。
優しい動きだが自分でするのとは全く違う。予測できない動きに腰が不規則に跳ねる。
グレンの手が欲の先端を包み込んで緩く擦ると、思わず大きな声が漏れる。
「あッ! やあ……ッ」
「本当に嫌なら止めるぞ」
「んんっ、意地悪しないで……」
「……可愛いな、クソッ」
「ひ、ぁア……!!」
強くなる刺激。力が抜けていく上半身。しかし下腹は快感についていこうとして変な力が入る。
グレンの首と肩にしがみつかないとどうにかなってしまいそうで、力一杯もがく。
「ライゼル、舌を出せ」
「ん……」
ぼやけてくる頭で必死にグレンの言葉をなぞる。
言う通りに舌を思い切り伸ばすと、グレンの舌に絡め取られ、そして甘噛みをされる。優しい痛みはすぐに熱へと変わり、全身を貫いていく。愛情を刻まれるようで胸が震える。
それと同時に手の動きが早まり、一気に快感が襲ってくる。
「あぁッだめ、だ……グレ、ン!」
「いい、そのまま身を任せろ」
「でも、ンンッ! あ、あ、やぁ……でる、……あ゛ッ!!」
望んでいた頂に達し、くたりとグレンの身体に倒れる。久しぶりということもあり、なかなか身体に力が入らない。
「んん……」
「大丈夫か」
「うん、だいじょぶ……」
「気持ち良かったか」
一瞬、迷う。まだ気恥ずかしさは大いにある。しかしなんとか素直に頷くことができた。その頷きに返された笑みが、また一段と心を解く。グレンは安心したように俺の欲に触れた手と反対の手で頭を撫でる。
段々と戻ってきた思考。俺の腹に当たっているグレンの欲は張り詰めたままだ。俺はゆっくりと身体を起こしてそれに触れる。
「っ、ライゼル、俺はいい」
「なんで……? 嫌なのか?」
「そうではない。お前にそこまでさせるのが、躊躇われる」
言い淀む間に、グレンも本音を優しさで隠すことなく伝えようとしてくれていることを察する。
「嫌じゃないなら、止めない」
俺はそう宣言して、両手でグレンの欲を包み込む。大の男が両手を使っても収まりきらない大きさと重量。熱が脈打つのが掌でも分かり圧倒される。
グレンも観念したのか、大人しく俺の手の動きから快感を拾っている。引き絞られた口角から漏れ出る息と声が悩ましい。
自分の手でグレンが感じてくれているのがこれほど嬉しいことだとは。
そして、いつかこれを己の身体で受け止める日が来るのかと思うと、さっき発散したはずの熱がまた首をもたげてくる。
「さすが……体力があるな、ライゼル?」
「え? あ、いやこれは……」
「ん? まだ足りないのだろう?」
「うぅ……だって、グレンが気持ち良さそうにしてくれるのが、嬉しくて」
「……ハァー、煽るな」
グレンが示したのは先ほど熱を吐き出したばかりの俺の欲。いつの間にかすっかり硬さを取り戻していた。
小さく舌打ちをしたグレンが俺の手を掴んで外すと、俺の欲とグレンの欲をぴったりとくっつける。
まさか、と思った瞬間、両方まとめて擦り始めた。
「やあぁっ、だめコレ、!!」
「フッ、く……ッ」
「ぐれんっ、グレン、ぁアッん」
「ハーッ、気持ちいいか?」
「ん、ッうん、きもちい、ッ」
熱と熱が擦れ合い、重なり、区別がなくなっていく。お互いの欲が触れ合うところが一番敏感なところなのに、一番強く擦られてしまう。
俺は腰を揺らしてグレンに抱きつくしかできない。視線で口を開くように求められたのが分かり、口を開くと思い切りしゃぶられる。
太陽のような匂いがしていたグレンの身体から、雄の匂いが漂い、鼻腔から脳まで充満する。
厚い舌で咥内が一杯になって息が苦しい。けれどこの苦しさがグレンから与えられる愛情ならばもう苦しいままでいい。
「ぁぁ……だめ、またクる……」
「ああ、俺も、そろそろ限界だ……ッ!」
グレンの手の動きが早くなる。反対に口に差し込まれた舌は動かなくなり、感覚が欲に集中する。
「あぁ、や、あああ、ンン゛ッ!!」
「ハ、う゛ッ、ライゼル……!」
グレンに名を呼ばれ、二人同時に達する。快感の波は一度ではなく、特にグレンは数度にわたって噴き出す悦に歯軋りをする。
しかし俺も二度目の頂だったのにも関わらずグレンに負けず劣らずといった感じで、最後はグレンが名を呼んでくれたおかげで意識を留めることができた。
互いにしばらく呼吸を深くして息を整える。火照る頬と目尻に溜まった涙を舐められる。
「ライゼル」
「ん……?」
「俺の許に来てくれて、ありがとう。これから先ずっと、お前を幸せにするために努力するから、そばにいてくれるか」
「……あぁ。ずっとそばに居る。もう俺は、グレンの懐刀だから」
静かな夜に交わした誓い。
二人の間にはもう何も隔てるものはなく、新たに固い絆が結ばれていた。
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