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第7話

恋なんてもうしたくない。 そう思ったのは酷い失恋をしてしまったから。 きっと深い傷を持ってるのは俺だけじゃなくて太陽もだ。 それでも太陽は何でもないっていう風でいつも通りで何かが変わるわけでもなかった。 俺は我慢が出来なくて悪い方に走っちゃって。 昔から喧嘩は好きだ。だから喧嘩をまた繰り返しするようになって、更にはあの人のおかげでハマってしまった行為。 でも相手がいないからできなくて、それも喧嘩をする理由と1つになってる。 「架月···どうしたの···?」 不安そうに俺を見上げた日向に何でもないって笑顔を返してワシャワシャと髪を撫でる。 「···怖い顔してるよ」 「ごめんごめん。何でもないから気にしないで。」 「気になるよ」 「···じゃあ、何も考えられないくらいキスしてあげよっか?」 「っ···!あ、あのね、っ、そういうことばっかり、言ってたらっ···!」 「言ってたら?」 「···こ、こうしてやるっ」 震える大きな声でそう言ったかと思えば唇に柔らかい感触。目の前に日向の可愛い顔があって、ふふッと笑ってしまう。 顔を赤くして離れた日向の後頭部を押さえて逃げられないようにすると日向の口内に舌を突っ込んだ。 「んっ!?んむぅっ!」 驚いて目を見開いてる日向。 そのままゆっくり押し倒すと何が起こってるのか理解できてないようで大人しくされるがままになっていた。 キスをやめて顔を離すと俺たちの間を頼りのない銀色の糸が繋ぐ。 「ねえ、俺のこと好きならさ、俺のしたいことさせてくれる···?」 「···な、に···?」 目が揺れてる、日向の胸倉を掴んで引き寄せる、鼻と鼻がぶつかるくらいの距離になってそこでフッと笑う。 「俺ね、セックス、大好きなんだ」 「せ、っくす···?」 「だからさ、ヤらせてよ」 強姦されて、それなのに俺にこんなこと言われたら、さすがに日向も俺のこと嫌いになるでしょ。 「···それを、したら、俺の気持ちに、応えてくれるの···?」 その問いに返事することなくただボーッと日向の目を見る。 「いいよ、架月ならいい」 予想していなかった答えが返ってきて今度は俺が驚く番だ。 「だから、ずっとここにいて。俺の気持ちを、無視しないで」 触れるだけのキスをされて目を細める。 「···日向って、変だね」 1度、目をゆっくり閉じて口元だけで笑った。

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