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第23話
「ただいま」
「お帰り」
玄関を開けた閉めたのと同時、体に衝撃が走る。
朧に抱きつかれてグエッて変な音が出た。
「ちゃんと帰ってきたな、えらいえらい」
「痛いから離せ」
「あー、そりゃ無理だ」
部屋の窓が開いてる、灰皿に俺が出て行く時には無かった吸殻が結構あって、俺に抱きつく朧からも煙草の匂いがする。
「本数減らせよ」
「だってお前がいないんだもんよ」
「···病気になるぞ」
「そしたらお前が看病してくれ」
「あのな、冗談じゃなくて···」
言葉を続けようとしたのにキスをされて話せなくなる。
それがあまりに優しくて甘いキスだから俺も何も言えなくてされるがままになっていた。
「あー、甘い」
「っ、はぁ···玄関ですんのはやめて」
「じゃあ早く中入れよ」
靴を脱いで中に入るとリビングに引っ張って連れられて激しいキスをされる。腰が抜けてカクンと体が支えきれなくなるとベッドに押し倒されてそのままキスをされ続けた。
「っ、んぁ、は···」
苦しくなってきて手でどんどんと朧の胸を叩いてるのに、その手を両手それぞれ取られてベッドに押さえつけられる。
「ん、んっむぅ、ぁ···」
そのまま足の間に体を入れた朧に膝で股をグッと刺激されて腰が浮く。
「ひっ、んっ」
唇が離れて飲み込めなかった唾液が口の端から垂れる。それを舐めとった朧がニヤッと笑って首に舌を這わせた。
「あ···っ」
ピリッとした痛みが走ってキスマークを付けられたことがわかった。
「おい、太陽もつけろよ」
「やだ、つけない」
「じゃあずっとこのままだからな」
「···わかったよ」
朧の首に口を寄せた。
キスマークを付けて、そのまま朧に抱きついて一緒にベッドに寝転ぶ。
「会えたのか?ちゃんと」
「うん、···元気そうだった」
「俺が言ってた危なっかしいって意味、分かった?」
「···わかった。なんかずっと不安そうだし。俺だってずっと一緒にいたあいつと離れてるのは不安だし」
そう言うと強く抱きしめられて顔が朧の胸に当たった。
「だからって出て行くなよ」
「···架月が望むなら出てくよ」
そう言うと嫌だと言われ抱きしめる力が強くなって、少し痛いし、苦しい。
「痛い」
「嫌だ」
「離せ、って···っ」
「嫌だっつってんだろ」
···もういいや。そのまま朧に抱きしめられたまま、目を閉じる。
「俺を、ひとりにしないでくれ···」
その言葉が聞こえて朧に何があったのか、気になったけれど目を閉じたら眠気が増す。
もうダメだ、眠たい。
最後に触れるだけのキスをされて、それを最後に意識を飛ばした。
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