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第28話 太陽side

「あ、おかえり」 「ただいま」 朝起きてベッドを抜けキッチンに行くと顔色の悪い朧が水を飲んでいた。 「気持ち悪いのか?」 「出そう···今日飲みすぎた···」 「トイレいけよ。そこで吐いたら片付けるの大変だ」 「連れてって」 フラフラしてる朧を支えてトイレに連れて行く。 着いた途端うえって吐き出した朧にあと1秒でも遅れてたらやばかったな、と思いながら背中を撫でる。 「ぅ···」 「口濯いで寝ろ」 「頭痛い···」 異臭がしてきてトイレの水を流す。 洗面所に引きずるように連れて行って口を濯がせベッドに連れて行き寝かせる。 「てかお前すごい熱い」 「もう無理···寝る、俺は寝る」 「今日は仕事は?」 「休み」 布団を被って寒いのか震えてる朧に毛布を出してあげようと探すけど見つからない。どうしようか悩んだ結果ベッドに入って寒く無いように隣に寝転んだ。 「寒い?」 「寒い···寝れない···」 「毛布とか湯たんぽとか、ねえの?」 「···無い。買うのも、面倒だし」 面倒臭がりもここまで来たらやばいだろう。と溜息をつくと朧が虚ろな目を向けてきた。 「温めろ」 「何で命令口調なんだよ」 「もう寝たい···」 「病院行かなくていいのか?」 「寝たら治るんだよ、こんなもん」 なんてこと言うから抱きしめて寒く無いように摩ってやるとスーっと眠った。眉間によってる皺が朧が感じてる辛さを表してるみたいだ。 朧が起きたら何か食べさせてから薬を飲ませないと。 この家を探しても薬なんて有りそうに無いし、ベッドをこっそり抜けて薬局に薬を買いに行くことにした。 頭が痛いって言ってたから頭痛薬?でも吐いてたし···あれは酒のせいだと思うけど。どうなんだろう。と道を歩きながら考える。 とりあえず風邪薬買えばいいか。 薬局についてそこにいた薬剤師にも相談して薬とスポーツドリンクを買って家に帰る。 「太陽!!」 「うわっ!!」 玄関のドアを開けた途端大声で俺の名前を呼ぶ声と俺よりでかい体が突進してきた。 「何、どうしたんだよ···まだ熱いじゃん、寝てないと」 「お前が、いなくてっ」 「悪い悪い。薬買ってきたんだ、これ飲んで」 「勝手に出ていくな」 ホールドされて動けなくなって、ごめんと謝ると「ん」と顔を胸に押し付けられる。 「薬飲んで」 「···わかった」 薬を渡すという通りにそれを飲んで俺を抱きしめたまま動かなくなる。 「寝ないと」 「隣に、いろ」 朧を抱きしめてわかったと返事をして2人でベッドに戻る。トントン撫でてるとまたすぐに眠った朧。 だんだん俺も眠たくなってきて気づかない間に落ちてしまった。

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