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第36話

暗い間にそうやって歩いていたら、また、前に俺にやられた奴らに見つかってまた喧嘩をしてしまった。 殴られそうになるから殴り返して、喧嘩をふっかけてきた奴らを地面に伸してグググッと伸びをする。 さあ、どこか休めるところに行こう、そう思った時。 「おい、お前、動くな」 「は?」 低いドスのきいた声が背中側から聞こえて振り返る。 完全に堅気ではない奴らがそこにいて、やばいなととりあえず言われた通りに動かないようにする。 「お前羽島架月だな」 「···あんた達は誰だよ」 「桜樹組の者だ」 前に真守が教えてくれたっけ。 目をつけられてるよって、面倒くさいのもここまできたらそうでもなくなってくる。 「ついてこい。逃げたらどうなるかわかってるな」 「···はあ」 1番前を歩く男が俺に近づいてきてそう言う、1度、見た顔だ。 どこで、だっけ···? 「あ」 「何だ」 「あんた、真守の···」 「あ?お前羽島の弟だろ、ったく···後で兄貴に絞られろ」 「兄貴···、そうだ、お前は兄貴の上司で偉い奴だったんだ···」 「何言ってんだ?お前」 何だかすごくイライラして目の前にいる真守の恋人の燈人に掴みかかろうとすると周りにいた奴らが俺の体を押さえて動けなくする。 「とりあえず、寝てろ」 「···っ!」 首に衝撃が走って視界が暗くなっていく。 ただ単純に、やってしまった。って思った。

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