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第42話 太陽side

「···なんか、苦しい」 「は?」 朧と抱き合ってベッドに寝てたら急に胸が苦しくなった。何だ、これ。なぜか涙が出てきそうになって自分の体が自分のものでない気がして朧に強く抱きつく。 「体調悪いのか?」 「な、んだろ···架月···?架月が泣いてんのかも···」 昔もこんなことがあった気がする。 架月が酷く悲しんでた時、俺もそれがうつったみたいに悲しくなって涙が出てきたこと。 「何か、あったのか···?」 「落ち着け、お前の弟の隣には誰かいるんだろ?」 「日向ってやつが、いたと思うけど···」 「じゃあ大丈夫だ、きっと」 朧はそういうけど、不安な気持ちが消えない。 今はもう夜だし、とりあえず明日連絡をしてみようって携帯を取ろうとしていた手を下ろす。 「明日は仕事?」 「今日休みだったからなぁ···まとまった休みが欲しい」 「頼んだらくれんじゃねえの?」 「いや、これでも俺ナンバー1だから」 「そうなんだ」 あんまり興味ない、それが朧にわかってしまったようで俺を抱きしめる力を強くして「興味持てよ」って怒られた。 「痛い」 「痛くしてる」 「嫌い」 「そんなこと言うな」 余計強く抱きしめられて、ドンドンと胸を叩くとパッと腕が離された。 「苦しい」 「悪い。···嫌いとか言うから」 「知らねえし。もういい、寝る」 朧に背中を向けて目を閉じる。背中にぴったりと朧の体がくっついて今度は優しく包み込むように腕をまわしてきた。 「ごめん」 「···いいよ」 顔だけ、振り返るとフッと笑ってキスをされる。それにこたえてるといつの間にかキスは深く、激しくなっていく。 「ん···はぁ、朧っ···んぅ」 「悪い、止まんね」 いつの間にか素肌を撫でられて行為が始まる。 朧が忙しくない時以外ほとんど毎日のようにこんなだけど、愛されてるってわかってるから嫌じゃない。 なら、架月は? 人一倍繊細なあいつの事を誤解せずに愛してくれるやつって、どれくらいいるんだろう。 俺が今までの人生で会ったそういう奴って、兄貴と···真守···思い出せるのがその2人くらいしか、いなかったな。 そう思うと酷く怖くなった。架月は大丈夫なのかと、すごく不安で。

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