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第47話

日向と別れて家に帰る途中に兄貴の住んでるマンションの前に来た。上を見上げて頭の中にいろんな思い出が蘇ってくる。 「許さねえ···」 思い出したくないそれを忘れるように走って朧のいる家に向かう。家の前について急いで鍵を開け中に入った。朧が驚いてこっちを見てるのを見て強く抱きつく。 「太陽!?」 「なあ···俺のこと好き···?」 「···どうした?」 「キスして···お願い···」 そう言うと顎に手を添えて顔を上げさせられる。目が合って近づく距離、目を閉じて唇が合わさって···その甘さに吐き気がした。 「もっと···なぁ、もっと···っ!」 「落ち着けよ、ほら、」 何度もキスをしていつの間にかベッドに押し倒されていてきていたTシャツももう胸まで捲り上げられていた。 「っ···は、ぁ···っあ」 高まる熱は治らないし、なんとも言えないこと気持ちは消えてくれない。忘れる為にも他人の熱が欲しくて朧に手を伸ばした。 きっと俺はお前のことを利用してるだけなんだろうけど、でもそうしてないと俺が俺でなくなってしまいそうだからさ、許して。 「あ···あぁ──ッ!!」 俺を貫く熱に与えられる快感、ゆっくり目を閉じたら何も考えなくてよくなって···。 ただ気持ちよさに体が満たされていた。

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