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第51話

「俺が、代わりになってやるって言ってんだ」 「何で上から目線なの···なってやるって何?頼んでないし···」 「代わりができたらそんなこと思わなくて済むだろ。」 「ねえ頭悪くなったの?無理だよ。兄貴に真守の代わりなんて」 何だかおかしくなっちゃってケラケラ笑うけど、真面目に言ってたのか兄貴は笑わないでじっと俺を見てた。 「はぁ···もう、本気なの?」 「本気だ」 「···俺と、キスしたり、セックスしたり、できる?無理でしょ」 「できないことはない」 「嘘だぁ!!」 今、目が泳いだもん。 そう言って笑ってるといきなり顔が近づいてきてキスをされた。 「っ!!」 「キスはできたぞ」 「そんな、ミッションみたいなのやめてくれない!?」 「あとは···セックスだっけ?」 その言葉を聞いて兄貴から急いで逃げる。リビングの隅に小さくなってしゃがみこんでるとそこまで迫ってきて「架月」って言いながら俺の肩を叩いた。 「しねえよ、バカ」 「さっき、キスしたじゃんか···」 「俺はできるよ、お前相手なら」 「···本当、バカじゃないの」 「バカでも何でもいい」 顔を上げるとまたキスされる。 嬉しいのか、悲しいのか、わからないけどいっぱい涙が出てきた。 「俺はお前のこと、愛してるよ」 「···やっぱり、バカだっ」 兄貴の首に腕を回して強く抱きついた。

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