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第58話 R18
「ねえ、セックスしたい」
「今からか?」
あの日兄貴と寝た後、あの訳が分かんなくなる快感にハマってしまったみたい。仕事してる兄貴にそう話しかけると「後でな」と返されて楽しくない。
兄貴が俺の頭を撫でるけどそんなんで大人しくなるわけないでしょ。その手を掴んで指に噛み付いてやるとギョッとして俺を見る。
「仕事がある」
「···でも寂しい」
「我慢できねえのかよ」
「我慢は体に悪いよ」
兄貴にキスをすると溜息を吐いて分かったよって俺を連れてベッドに向かう。
「ていうか準備してたのか」
「したよ、だから誘ったの」
「ふーん」
キスをされながら押し倒されて。ああ、なんかすごく満たされる。
「ねえ、お願いがあるんだけどさ」
「なんだ」
「···うんと気持ち良くして」
「気持ち良くなかったのか?」
「違う違う!良すぎてハマっちゃった」
服を脱がされて、偉い人になった気分。俺の立てて膝にキスを落とした兄貴は空いていた手で俺の中心を触る。「んっ、」と声を漏らした俺の口をキスすることで塞いだ。
「あ、あ···兄ちゃん···」
「んー?」
「も、俺、兄ちゃんから離れられないかも、んっ」
「ああ、それでいい」
兄貴から与えられる熱は余りにも気持ち良くて兄貴の首に腕を回しキスを強請る。
「好き···もっと、して···」
「わかってる」
好き、大好き、愛してる。
本当は兄貴が真守の代わりになるって言った時、すごく嬉しかったんだ。
絶対、教えてやんねえけど。
「あ、ねぇ、にい、ちゃっ」
「あ?」
「···好き、だ、よ」
「ああ、知ってる」
優しく笑った兄貴に冷たく震えてた心が暖かくなった気がした。
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