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第69話 架月side

さっき太陽から不思議なメッセージが届いた。 「兄貴としてんのか···って、なんで知ってるの?」 兄貴が口滑らせたのかな。 別に太陽にならバレたっていいけど。寝室のベッドに横になったまま「まあね」って返事をして携帯をローテーブルの上に投げた。 「にいちゃーん」 「あー?」 リビングから聞こえてきた返事。動くのが嫌でそのまま何も言わずジーッとしてると兄貴がやってきて寝転んでる俺の隣に腰を下ろす。 「何」 「太陽に言っちゃったんだ?」 「···あれは事故だ」 「ふぅん、別にいいんだけどさ。」 でも、太陽と連絡を取ってたところなんて見なかったからちょっと驚いただけ。 「兄ちゃん、なんか、嫌な感じする」 「···お前と太陽が言うそういうのって結構当たるから怖い」 「何だろう···太陽に何かあるのかな」 「···太陽から、相談されたよ。気分が沈んじまって急に元気がなくなった人相手にどうやって接したらいいのかって」 その話が関係あるのかな。 モヤモヤする気持ちはあるのに、何が起こるのかわからなくて行動に移せないのがもどかしい。 「何か起こってからじゃ遅いのに···」 「大丈夫だろ。太陽は意外と強いからな。自分の中にある大切な物のためなら何だってできるやつだ」 「······だから、怖いよ」 変な気を起こさないか、すごく怖い。 そう言うと兄貴は俺を抱きしめて「大丈夫、何かあったら俺がどうにかする。」と言う。どうにかするって、それ、全然頼りないよ。 フッと笑って兄貴の背中に腕を回す。 「好き、好き」 「ああ」 「好きって言って」 「好きだ」 兄貴の鎖骨に噛み付く、痛いと顔を歪めるからすぐに離してそこを舐めた。 「くすぐってえよ」 「好きー」 「わかったから、それやめろって」 舐めるのをやめて手を兄貴の服の下に滑らせる。 背中の筋肉に触れるとそれがかっこいいなって思ってぐって押してみた。 「何だよ」 「筋肉俺も欲しい」 「じゃあ鍛えれば」 「そしたら可愛くないって誰も抱いてくれないもーん」 「············」 軽く頭を叩かれる。 ふん、と無視をして隙間がなくなるように抱きついた。 「あー···セックスしたい」 「怖いのかよ、太陽のことが」 「うん、だから忘れたい」 キスをして今すぐしようって誘う。 頭を撫でられると気持ちよくてそのまま目を閉じた。

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