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第76話
ちゃんと歩けてない架月を家まで運び、ソファーに寝転ばせる。服だけはちゃんと着替えさせたいから着替えをもって寝そうになってる架月を座らせ万歳をさせた。
「なんかね、昔もこうやって、着替え、手伝ってもらってたねぇ」
「そうだな」
「んー···兄ちゃん」
上の服を着替え終わって下はまだ履き替えてないのに何度も何度もキスをしてくるもんだから手が動かない。
「架月、先着替えんぞ」
「着替えたら、兄ちゃんから、キスしてくれる···?」
「ああ」
「んふ、じゃあ着替えるー!」
鼻歌を歌ってる上機嫌な架月は服を脱いで新しいものを着た。早く早くと強請る架月にキスを落としてそのまま眠りそうな架月をベッドに運んだ。
「エッチ、するの?」
「しない」
「なんでぇ?」
「もう寝ろ」
架月の目を手で覆う。
少しの間そうしてると規則正しい寝息が聞こえてきて架月に布団をかけてからベッドから抜けた。
若に一応連絡を入れておこうと思って携帯を開くと太陽からのメッセージが来ていた。架月のこともあったし、何だろう。と確認をすると架月は本当に赤石のところに行ったのか。大丈夫なのか。という内容だった。それに大丈夫だった。と返信をするとすぐに返信が来る。
「なんで···って···」
その大丈夫に対しての疑問をぶつけられてなんて答えるべきかと悩む。俺があいつの代わりとしてピッタリだったから?架月の精神状態が落ち着いたから?返信をする内容に迷って手が止まる。
「······落ち着いたからでいいか、」
それに間違いはないんだし。だから適当に返信をして疲れたなぁと背筋を伸ばす。そのままテーブルに伏せて目を閉じる。架月はもう大丈夫だけど、太陽はまだまだだ。どうしてやればあいつも楽になるのか、考えているうちに眠気に負けてそのまま眠ってしまった。
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