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第77話
「兄ちゃん、兄ちゃん!!」
「···ん」
「風邪ひくよ!」
「架月···おはよう」
「うん、おはよう。···ところで俺、記憶ないんだけどなんで家いるの?」
風呂に入ったらしい架月はまだ髪が濡れてる。
俺にかけられてる毛布、どうやら架月が風呂に入る前に掛けてくれていたようだ。
「お前酔い潰れたんだよ。若から連絡もらって迎えに行った」
「そうなんだ···何か悪いことして気絶させられたのかと思った。ごめんね」
架月が俺の肩に触れて、軽く体を揺らしてくる。
顔を向けるとキスをされて、抱きしめられた。
「兄ちゃん兄ちゃん」
「何だよ、どうした?」
「あのね···夢で、太陽が出てきたんだ。···助けてって、言ってた」
「···ああ」
「俺、助けに行ってあげないと」
「どうやって?」
口から出た声は自分でも驚くほど冷たかった。
架月は怯えてしまってそれ以降何も言わず口を閉ざす。
「何の力もないお前が、どうやって太陽を助けるんだ」
「···そ、れは」
「···悪い、怖がらせるつもりはなかった。」
手を伸ばして架月の頬に触れる。少し震えて、でも俺を受け入れるその姿が愛おしくて深いキスを落とす。
「ん、ん···ふ、っ」
「こっちこい」
立ち上がってベッドに連れて行く。
ああ、そういえば俺、風呂に入ってない。
思い出して架月の服を脱がせ手足を縛ったところで布団をかぶせ風呂入ってくると寝室を出る。
「はぁ!?え、ちょ、俺このまま!?」
「そのまま寝てろ」
「ええ!!」
驚きの声を無視して風呂に向かう。
玩具をケツに突っ込んで焦らすのもありだったか?と思いながら体と髪をササっと洗った。
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