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第87話 太陽side

「太陽」 「何」 架月と会ってから不安定だ。 腹が立ってるのは架月にじゃなく自分に。架月はもう誰のことも恨んでないのに俺はずっとこのままだ。 「泣いてんのか?」 「泣いてないよ」 朧に背中を向けたままそう言うと後ろで溜息をついていた。 「ごめん、ちょっと外出てくるよ」 「···大丈夫なのか」 「うん。会いたい人がいるから、そいつにも会ってくる」 「気をつけろよ、何かあったら連絡してこい」 キスをされて小さく笑い「うん」と頷く。 頭を撫でられると安心してこのまま朧に抱きついて離れたくないな、って思ったけど…やらないといけないことがある。 靴を履いて行きたくないなって気持ちを抑え込みながら家を出た。

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