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第92話

「んー···んんー···」 「何唸ってんだ」 「喉、痛い、水」 散々愛された後、風呂に入ってベッドで寝転び目を閉じる。喉が痛くて水を飲むとヒンヤリと冷えて気持ちいい。 「朧、ここ来て」 「はいはい」 隣に寝転んでもらって朧に抱きつく。背中に回る逞しい腕に安心した。 「明日はちゃんと家帰ろうな」 「うん」 「好きだ」 「俺も好き、好きだから···俺とずっと一緒に、いて」 「ああ」 朧が俺の肩に額を当てる。 トクトクと聞こえる朧の鼓動が眠気を誘って、気付けば眠ってしまっていて迎えた次の日の朝。 「たーだいまー」 家に帰ってきてすぐに楽な格好に着替えてベッドに寝転ぶ。遠くまで行ったから疲れたのと、昨日の夜との分で腰が痛い。 「朧、腰グーって押して」 「ん」 しばらく押してくれてたのに急に体を反転させられて向き合う形になって、左右に足を割られたかと思うと間に入ってきた朧が前屈みになりキスをしてきた。 「ん、んぅ」 「可愛いな、やっぱり」 「あ、朧···」 「このままするか?」 「···してもいいけど、落ちるよ俺」 終わったのと同時に寝てしまう確率が高い。だって今もすごく眠たいし、それに加えて訳わかんなくなるから落ちてしまっても仕方がない。 「そしたらあとは俺が綺麗にしておいてやるよ」 「···うわ、やる気なんだ本気で」 「当たり前だろ、はい、万歳」 せっかく着替えた服も脱がされる。 たくさん降ってくるキスの雨を目を閉じて受け止めた。

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