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第98話
勢いで飛び出てきたのはいいけどどこに行こう?
トラさんのところに行ったら泊まらせてくれるかな、それとも燈人のところ行こうかな。
んー、と考えながら行き着いたのは公園でブランコがあってそこに座ってぼーっとする。
まだお昼を過ぎた頃、小さい子達が「何してるのー?」と俺に話しかけてくる。
「1人で遊んでるのー?」
「そうだよー」
なんか、小さい子見てたらユキくんを思い出した。
命さんと笑い合ってるユキくんを───······
「か、架月くん!」
「え、あ、!?」
名前を呼ばれてそっちを見たらユキくんと命さんが手を繋いで立ってた。近寄ってきたユキくんを抱きとめて後からきた命さんを見上げる。
「お散歩ですか」
「ユキが公園行きてえっていうから連れてきた」
「命さんって優しいですよね、見かけによらず」
「···一言余計だ」
ジロッと睨まれてヘラヘラ笑うと溜息を吐いてからフッと笑う。
「ユキ、遊んでもらえ」
「いいの···?」
大きい目が俺を見る。
可愛くて目を細めて「いいよ」と言うと嬉しそうにピョンピョン跳ねた。
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