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第100話

さて、じゃあ架月が帰ってきた時、あいつの好きなものを食べさせてやろう、と冷蔵庫を漁る。 あいつが好きなのはホワイトソース系の食べ物だ。ドリアもホワイトソースじゃないと食べないしパスタだってそうだ。 よし、ドリアを作ろう。 冷蔵庫の中にあった材料を取り出して袖を捲って気合を入れた。 ドリアも後は温めるだけだし、部屋の掃除も終えていつの間にか夕方になっていた。玄関が開いた音がして、リビングには来ないでそのまま風呂に入ってるのかシャワーの音がする。 喧嘩でもしたのか?と思ったけど黒沼さんがいたんだ、そんな事はないだろう。ちょっと待ってるとポタポタと髪を拭かずにスウェットを着た架月が気まずそうにリビングにやってきた。 「こら、ちゃんと髪拭け」 「···怒ってないの」 「別に怒ってねえよ。ちゃんと髪拭かねえと風邪ひくぞ」 って、つい最近熱を出した俺が言えねえか。 架月に手を伸ばして首にかかってたタオルを取り髪を拭いてやる。目を閉じて大人しくされてる架月は俺が手を止めると目を開けてじーっと見てきた。 「命さんとユキくんと、遊んでた」 「ああ」 「いっぱい、走ったから汚れちゃって」 「···遊んだら腹減ったろ?」 「うん」 まだ晩飯には早いけど腹減らしてるんだからもういいか。 テーブルの席に着かせて「待ってろ」といいキッチンでドリアを温める。 やっぱり喧嘩をしたんじゃなくて安心しながらチーズに焼け色がついていくのを眺めた。

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