103 / 203
第103話
眠ってる架月を連れて風呂に入れる。
重たいなと思いながら架月の体を洗って湯船に浸かる。沈まないようにと架月の腹に手を回してはぁ、と息を吐くとモゾっと動いた架月が目を開けた。
「ん···ぅ」
「起きたか」
「ね、むい···」
「寝てていいぞ」
「やだ」
何でか知らねえが意地でも起きてるという架月。言った通りに風呂に上がるまで起きてた架月はリビングに出てソファーに座るとコクコクと船を漕いでいる。
「シーツ変えたからベッドいけ」
「···ん」
返事はするけど話は聞いてないな。
仕方ない。架月を抱き上げベッドに寝かせる。1分も経たないうちに寝息を立てて眠る架月の眉間にシワが寄ってて、そこに唇を寄せるとそれが無くなった。
隣に寝転んで架月を抱きしめて目を閉じる。
子供体温の架月を抱きしめるとすごく温かい。そうやって安心していたのにポケットに入れっぱなしだった携帯が震えだした。寝ようと思ってたのを邪魔されたことにイラっとしながらも内容を確認すると太陽からの電話で。
「はい」
「───兄貴、今から会いたい」
「今から?何時かわかってんのかよ」
時計を見たらもう日付が変わる頃。
それでも太陽の焦ったような声に心配になってわかった。と返事をした。
ともだちにシェアしよう!