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第106話

いつの間にか寝てしまってた、架月と同じベッドで、架月の隣で。まだ眠ってる架月を起こさないようにベッドを抜け出してリビングに出た。 「おはよう」 「···おはよう」 兄貴はもう起きていてリビングでソファーに座ってテレビを見てた。 「架月が起きたら、帰る」 「ああ、帰ってちゃんと話してみな」 「うん」 兄貴の隣に座って落ち着いてると寝室のドアが開いて架月が出てきた。ふらふらと多分トイレに行って帰ってきた。 「にいちゃ···腹減った···」 「何か作る、太陽も食べてけ」 「あ、うん」 寝起きだからかふらふらしてる架月は立ち上がった兄貴に抱きついて離れようとしない。 「架月、腹減ってんだろ?これじゃあ何もできねえんだけど」 「キスしろ。キスして、早く早く」 「はいはい」 兄貴が仕方ないという感じで架月にキスをした。 満足したのか兄貴から離れて俺の隣に座った架月はだんだんと倒れてきて俺の膝に頭を乗せて眠りだした。 「架月」 「んー···」 「眠いならまだ寝てたらいいだろ」 「···ううん、太陽が不安そうだから、起きてる」 「何だそれ」 「なんかね···わかるよ。太陽がしんどい時とか、楽しい時とか、なんとなく、わかる」 架月の明るい髪を撫でる。 気持ちよさそうに目を閉じて口元だけ笑う架月は俺の手をとってギュッと握った。 「もし、朧のせいで不安なら、俺、朧の事ぶん殴ってくるよ。俺の兄貴を不安にさせるなってね」 「···そんな事しなくていいよ」 「やだね」 俺の手をギュッギュッと掴んで遊ぶ架月を見てると胸のあたりが温かくなった。 「架月」 「んー?」 「お前が、双子の弟でよかった」 「ふふっ、俺もね、太陽が双子の兄貴でよかったって思うよ」 そう言ってくれた事が嬉しくて、自然と口元が緩んだ。

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