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第110話
「俺が、ホストやめたの、本当はちゃんとした理由があってさ」
「うん」
「···安定した職につかねえと、お前と暮らしてけねえだろ」
「え、あ···?」
「これからもお前と一緒に暮らしたいと思ってるからさ。お前が寂しがり屋なのも知ってる。それならやっぱりホストはやめて安定した職に就かねえとなって」
お、俺と、これからも、一緒に暮らしたい?
その言葉が頭の中をぐるぐる回って、驚いた後にはこれでもかってくらいの嬉しさが溢れてきて自然と涙が出る。
「は、何で泣いてんの」
「嬉しく、て」
そう言うと朧は笑ってくしゃくしゃと俺の髪を撫でる。
その手をとって頬に当てると心が温かくなった。
「あとは上がってから話そう、ほら、出るぞ」
その手を掴んだまま一緒に風呂を上がった。
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