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第117話
「いってきまーす」
「気をつけてな」
家を出て、マンションのエントランスをくぐる。
そこには太陽がいてあくびをしながら片手を上げて「おはよう」と言ってきた。
「おはよう」
「俺さ、昨日すごい激しかったから腰に違和感すごいんだわ。」
「お元気ねぇ、太陽さん」
「そう言う架月さんだって。それ、キスマークでなくて?」
「当たりー!」
太陽とゆっくり道を歩いて学校に向かう。
学校に近くなるにつれて同じ制服の奴らをちらほら見かけた。校門につくと俺たちの担任が驚いた顔をして俺たちに寄ってくる。
「双子ぉぉお!お前ら元気だったのか!」
「いっ、たいな!!照ちゃん!」
「おお悪い悪い!お前たちが来なくなったから俺もなんかあったのかって心配だったんだよ」
「うーん、ごめんね」
照(テル)ちゃんは俺たちの頭をガシガシと撫でて「後で話ししような!」と手を振ってくる。俺たちはそれに頷いて教室に向かった。
「あっれぇ、太陽に架月、生きてたんだー」
「げぇ、凛(リン)ちゃんに会うとか最悪ぅ」
ニヤニヤ笑いながら近づいてくる男。太陽の後ろに隠れてそういうと長い腕を伸ばして太陽を通り越し俺の頭を掴む。
「最悪って何だよ。俺に会えて光栄です、だろ。」
「おいおい、凛、手離せって」
「何?太陽は架月を庇うわけ?」
「俺の可愛い弟だからな」
渋々っていう感じに手を離した凛ちゃんは同じクラスの男子。同じ教室を目指して廊下を歩く。やっと教室についたと思えばクラスメイトからうるさいくらいに声をかけられて、面倒だと思って対応は全部太陽に任せて俺は自分の席の机に伏せて眠ることにした。
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