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第124話
「あ、帰ってきた」
新奈ちゃんと別れて教室に入ると太陽がいて、2人で話をしていたらヘラヘラしながら凛ちゃんが帰ってきた。
「やっぱり香織ちゃんはいじめがいがあるよ」
「このどSめ」
「褒め言葉だね。今度は何して遊んであげようかな」
その笑顔が不気味で俺は太陽の方を向いて凛ちゃんの方に顔を向けないようにした。
帰る時間になってググッと伸びをして鞄を手に取る。
兄貴に電話しようかなと思ってたけど早く帰ればいいことかって太陽の腕を引っ張った。
「何だよ」
「早く帰らないと」
「はぁ?兄貴と約束でもしてんの?」
「してないけど、早く会いたい」
ぐいぐい引っ張って校門までついて、急いで歩く俺に「転けるぞ」と笑いながらいう太陽。そんなに子供じゃないし!と思いながら振り返ると躓いて転けそうになった。
「な?言っただろ」
「ムカつく」
太陽が俺の腕を掴む。
それを軽く振り払って今度はゆっくり歩いた。
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