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第131話

今日、何度目かのベッドで目を覚ます。 体のあちこちに違和感がある、それでも起き上がって裸のままの体を見るとキスマークがたくさん散らばってて、ちょっと引いた。 ベッドから降りてシーツを体に巻きつけたまま朧がいるであろうリビングに行く。 「···ぉ、···ぁれ、?」 いつもの声じゃない。すごく掠れてる。 ああ、喘ぎすぎたんだ、喉が痛いや。 「起きたか」 「·············」 「どうした?」 「声···が、」 「何だその声、啼きすぎたか」 朧がそばに寄ってきて抱きしめてくる。 はぁ、と息を吐くと「一応風呂には入れたけど、気持ち悪いならちゃんと洗ってこい」って頭を撫でられる。 「俺、落ちた···?」 「ああ、落ちた」 「···ごめ、ん」 「いい、俺が滅茶苦茶しちまったからな」 「俺、薬とか、やだ」 「ああ、言っとくけどあれ嘘だから。薬なんて飲ませてねえよ。」 「は?」 薬、飲ませてない? じゃあ口の中に入ってきたあれ、何。 「あれはただのラムネだよ」 「そ、んな···じゃあ、何で···?」 「プラシーボ効果だろ?可愛かったぞ、お前」 力が抜けて朧に寄りかかる。 クスクス笑って俺を抱き上げてソファーに座ると有り得ないっていう感情だけが溢れてきた。 「もう、動けない、俺」 「別に動かなくてもいい」 「飯、食べる、腹減った」 「ん、ちょっと待ってな」 俺をソファーに置いてキッチンにいった朧、その間にちゃんと服を着ようと1度寝室に戻って脱いだ服を着て、それからリビングでつけられていたテレビをボーッと見ていた。少しして美味そうなリゾットが目の前に出される。 「美味そう···」 「当たり前だ、俺が作ったんだからな」 「やった、いただきます」 もう時間はとっくに夕方だ。 もしかしたらこれ、晩御飯になるかも。とか思いながら綺麗にペロリ平らげた。

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