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第134話
「昼ご飯一緒に食べるんでしょ?新奈ちゃんと」
「うん」
「俺も一緒に食べるよ」
「わかってるよ」
午前の授業を終えて昼休みになった。
俺が新奈ちゃんを迎えに行ってあげたほうがいいのかなーと立ち上がろうとしたところで「架月さん!」と大きな声で名前を呼ばれた。
「新奈ちゃん、来てくれたんだ」
「あ、あの、···すみません」
「え、何で謝るのさ。おいでおいで」
1年がここにいるのが不思議らしくて周りの奴らは新奈ちゃんをチラチラ見てる。
「初めまして新奈ちゃん」
「あ、は、初めまして、えっと···凛ちゃん、さん」
「ふふっ、さんなんていらないよ、俺も、架月もね」
凛ちゃんが新奈ちゃんの席を空いてた椅子を持ってきて作ってあげてる。
女の子には本当優しいよね。
「新奈ちゃんお弁当なんだ、俺たち買いに行かなきゃだめなんだよね。悪いけど一緒に来てくれない?」
「はい」
俺と凛ちゃんがここでいなくなって新奈ちゃんだけ置いてたら変に目をつけられるかも知れない。一緒についてきてもらう。
「いつも購買なんですか?」
「そうだね、たまーにコンビニで買ってくるよ」
「飽きたり、しませんか?」
「飽きることは···あ、あるわ。俺この前またこれーとか思って結局野菜ジュースで終わらせた」
凛ちゃんと新奈ちゃんが楽しくお話ししてるから俺は1人で2人の後ろをボーッとしながら歩く。
「えー、それすごい嬉しい!ねえ架月」
「え、あ、うん」
「うっわ聞いてなかったでしょ!新奈ちゃんいいよ、あんな馬鹿には何もしなくて」
「ごめんごめん、何?」
「聞いてなかった奴が悪いんですぅ!教えませーん」
新奈ちゃんの肩を抱いて「行こ行こ」と先々進んでいく凛ちゃんに苦笑を漏らしながら後を追う。
やっぱり太陽がいないと、俺は学校でいつも通りを過ごせない。心の中に沈んでる寂しさが溢れてきて「はぁ」と溜息をついた。
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