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第135話

「架月何するの」 「チョコパン」 「ああ、またそれ。」 「美味しいよ」 購買でチョコパンを買って近くにある自販機でイチゴミルクを買う。甘いもの好きなんですね、なんて聞いてくる新奈ちゃんにヘラヘラ笑って頷いた。 「新奈ちゃんは?何かいらない?」 「え、私お財布持ってきてないし」 「そんなのいいから、買ってあげるよ」 そう言うとちょっと考えてから俺の持ってるイチゴミルクを指差した。 「わ、私も飲みたい···」 「うん」 自販機にお金を入れて同じのを買って新奈ちゃんに渡すと嬉しそうに笑ってくれる。 「うわー、何?餌付け?」 「違うわバーカ」 「新奈ちゃん、こいつはやめた方がいいよ、本当馬鹿だし、喧嘩三昧だし···」 「馬鹿ではないし、喧嘩だって最近はしてません!」 「ほら聞いた?最近はしてないんだって、最近ってことはちょっと前までは喧嘩ばっかりしてたってことでしょー?たまにシャツに血飛んでたもんね」 凛ちゃんがそんなこと言うから新奈ちゃんが俺とちょっと距離を取っちゃった。 「ちょ、俺本当喧嘩してないよ!女の子に手を出したことはないからね!」 「···はいはーい。とりあえず架月の後ろにいる輩を潰してきてくださーい。チョコパン達は預かっておくから」 「は?」 振り返ったら3年の先輩方が俺を見下ろして額に青筋を立てている。 見覚え、ある、っけ?記憶を手繰り寄せるけど思い出せない。 「俺は新奈ちゃんとご飯してるねぇ」 「えー···」 「自分のケツは自分で拭きな、散々喧嘩してたお前が悪いんだから」 凛ちゃんが新奈ちゃんを庇うようにして俺から離れて教室に行く。薄情だなぁ!!と思いながらも先輩達を振り返って「何か用ですか?」と聞いてみれば「こっちに来い」と引き摺るように俺を引っ張って連れてこられたのは空き教室。 「散々やってくれたなぁ、羽島弟」 「架月って呼んでよ」 「うるせえ。大体お前は先輩に対しての礼儀がなってねえ!」 「そう言うのって俺が敬ってる人に対してするもんでしょ。俺あんたらみたいな人、敬う気ないし」 「何だとっ!!」 人数は3人、3人なら問題ないか。 かかってきた1人に膝蹴りを食らわせ体勢が崩れたそいつをもう1人に向かって投げるようにぶつけた。もう1人が焦ってるのが見える。 ああ!思い出した!この先輩達は前喧嘩した時、先に2人がやられて最後にはリーダーぽいやつが逃げ出した、あの先輩達だ。 今回も似たような状況だなぁ、と残ってる1人に近づいて目の前でニンマリ笑ってみせる。 「どうします?先輩」 「お、前」 「前もこんな感じでしたよねぇ。最後、あんたが逃げ出した」 ケラケラ笑うと視線をそらして悔しそうにしてる。 もういいかな、2人は倒れてるし、この人ももう喧嘩する気ないでしょ。教室を出て少しよれてしまった服を直し、ご飯ご飯ーと凛ちゃんと新奈ちゃんが待ってるであろう自分の教室に戻った。

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