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第136話
「あ、おかえりー」
「おかえりなさい」
教室に行くと凛ちゃんと新奈ちゃんがご飯を食べながら俺にひらひら手を振ってきた。
「どうだった?」
「2人やったら残りの1人がやる気無くしちゃった」
「2人はやったんだ、さすがだね」
「いやでもすごい弱かったからさ。多分女の子でも勝てるよ」
「それはないでしょ」
買ったチョコパンを口に入れて温くなったイチゴミルクを飲む。この甘さがたまらん。
「架月くんは喧嘩、怖くないんですか?」
「怖い?」
「殴るのも、痛いのに···殴られるのなんてもっと痛いでしょう?痛いってわかってるのに···」
「ああ、殴る痛みはそろそろ慣れてきてるよ」
そう言うと新奈ちゃんはパックのイチゴミルクをチューっと飲んで首を傾げた。
「殴られるのは?」
「そもそも殴られることがほとんど無いからね」
「架月、すごい喧嘩強いよ。太陽も強いけど、架月の方が戦い方を知ってる、って感じがするしね」
「でも俺、太陽に喧嘩勝てないよ。怖いから」
「太陽は···喧嘩じゃなくて言葉が重たいよね」
ふふって綺麗に笑った凛ちゃん、何の話かわからなくてまた首を傾げてる新奈ちゃん。2人を見てから空になったチョコパンを入れてた袋をクシャクシャと小さくする。
そんな時携帯が震えて画面を見ると燈人からメッセージが入ってた。
内容は明日、太陽も連れて組に来いってこと。それにわかったとメールを返す。
「誰から?太陽?」
「ううん、違う」
イチゴミルクを飲んでそれも空になったからゴミ箱にパンの袋と一緒に捨てる。
「あ、新奈ちゃん、今日は何もされてない?」
「はい。けどやっぱり距離はあるかなぁって」
「まあそうだろうね。しばらくは微妙な感じ続くかもね」
「でも昨日までよりは断然過ごしやすいですよ」
口元を隠すように手を当ててふんわりと笑った新奈ちゃんに俺も、凛ちゃんもつられるように笑った。
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