138 / 203
第138話
「おーい太陽、朝だぞ」
「うん、起きたくない」
「今日学校行ってそれから弟と出掛けるんだろ、早くしねえとあの弟に怒られるぞ」
「架月は俺には怒らないから。···あー、起きないとなぁ」
朧に腕を引っ張られて起こされる。顔洗ってこいって背中をトントンされてノソノソ歩いて洗面所に行き顔を洗った。
「晩飯はどうする?」
「遅くなるかもしれないし、いらない」
「わかった」
ご飯を食べて、準備をしてから朧に抱きついてキスをして、さあ行かないと。って立ち上がる。
「行ってきます」
「おう、いってらっしゃい」
頭を撫でられて部屋を出る。
学校に行くまでに兄貴のマンションの前を通るからそこで架月と合致した。
「おはよう」
「ふんだ!太陽のバーカ!散々エッチしてきたんでしょ!」
「昨日は電話の後結局してねえし」
「···抜いてって言ってたじゃんか」
「······指入れられたけど、やめてって言ったらやめてくれたし、お詫びにフェラしただけ」
「詳しく言わなくていいから!!なんか余計腹立つわ」
架月にドン、と胸を叩かれてヨロつく。
「今日、行くんだろ?」
「うん、別に怖い人じゃないから緊張しなくていいよ」
「そんなこと言われても緊張するもんはするんだよ」
「ふぅん、まあなんでもいいけど。兄貴が学校終わる頃に迎えに来るって」
架月とそう話をしながら歩く。
燈人ってやつは真守の恋人で、俺が嫌いな人。
勝手に嫌ってるだけで本当はいいやつなんだってことは架月が仲良くしてるんだからわかってる。
「あ、昨日凛ちゃんがさぁ」
架月が話を変えて、昨日のことを教えてくれる。
凛のことと、新奈ちゃんのこと、ついでに言うと凛の新しいオモチャになった香織ちゃんのこと。
「購買行ったら喧嘩売られるしぃ」
「喧嘩したのか」
「あ、うん。兄貴には言わないでね」
「······わかった」
「ちょっと、なに今の間!!」
騒ぐ架月のおかげで考えすぎていた燈人のことから気が逸れて、少し楽になった。
ともだちにシェアしよう!