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第142話

風呂から上がってさすがに疲れたなぁってベッドに入った。兄貴も疲れたのか隣に寝転んですぐに電気を消して俺を抱きしめて寝る体勢に入る。 「最近よく俺の事抱きしめて寝るよね」 「ちょうどいいサイズ」 「あ、そう」 目を閉じた兄貴、キスをすると薄く目を開けて「おやすみ」と小さく呟き頭をポンポン撫でてきて、そのまま眠ってしまった。 久しぶりにちゃんと仕事場に行って働いてきたから疲れたんだね。俺を抱きしめる兄貴の手を取って握る。いつもこの手が俺を助けてくれて、愛してくれて。そう思うとドキドキして思わずその手にキスをした。 「······っ」 恥ずかしい! ひゃー!と恥ずかしさに激しくなった鼓動、落ち着かせようと深呼吸を繰り返すと「···何してんだよ」って低く掠れた声で兄貴が聞いてくる。 「お、起きてたの!?」 「···起きてた」 「あ、えっと、忘れて···」 「無理だろ」 可愛いなって撫でられて、俺は恥ずかしさを消すように兄貴に抱きついた。 「明日も、仕事だよね」 「ああ」 もしかしたら帰りが遅いかもしれない兄貴に寂しいなぁ、なんて思いながら兄貴の胸に顔を埋めて安心できる匂いを嗅ぐ。 「もう寝ろ」 「うん」 そのまま目を閉じて、今日あったことを考えていたらいつの間にか眠っていた。

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