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第144話

「架月ー···に照ちゃん」 「凛ちゃーん、おはよう」 「おい凛、ちゃんと授業聞け」 凛ちゃんを注意して、その注意した声が大きかったらしく数学担当の先生が咳払いをした。照ちゃんがペコペコ謝ってると凛ちゃんがそう言えばって立ち上がって俺の腕を掴む。 「架月がきたならちょうどいいや、やりたいことあったんだー」 「え、何」 「何だと思う?」 「···さあ」 「鬼ごっこ」 「どうした凛ちゃん···」 突然の鬼ごっこに「は?」と頭の中がハテナマークでいっぱいになる。 「今日財布持ってくんの忘れてさ、だから負けた人が俺に昼飯奢るってことで···」 「それって得すると凛ちゃんだけじゃん。もし凛ちゃんが負けたらどうするの?」 「照ちゃんが奢ってくれる」 「俺は奢るなんて言ってねえ」 照ちゃんが凛ちゃんにチョップを食らわせた。むすっとした凛ちゃんは珍しく自分から俺に抱きついてきて「えーんえーん、俺のご飯がないよう」とわざとらしい泣き真似を始める。 「···わかったよ、買ってあげるから離れて気持ち悪い」 「気持ち悪い!?この俺がわざわざ抱きついてやったのに!?」 「···気持ち悪い」 凛ちゃんが日に日に面倒臭くなってきてる気がする。 はぁ、と息を吐いて、やっと自分の席に座ると疲れてたのと、面白くない数学の授業ってこともあってすぐに睡魔が襲ってきて、それに惨敗した。

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