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第174話

「架月!」 「やだっ、太陽がっ!!」 「助けたいなら言うこと聞け!!」 錦に立たされて周りの人が持ってきた綺麗な布で撃たれた場所を圧迫した。 「運べ」 錦の言葉通り、周りの人はみんな太陽を連れて車の方に向かう。 「お前もついていけ、もう少ししたら羽島も向かうだろうから」 「た、太陽、大丈夫、かなぁ···?」 「大丈夫ってお前は思えないのか?」 「···思う···思、ってる」 体が震えて震えて止まらない。 手に付いてる太陽の血が怖くて眼を閉じると頬を両手で挟まれた。 「しっかりしろ、大丈夫だから」 「う、ん」 「ほら、早く行け」 背中を叩かれて車の方に向かう。 大丈夫、大丈夫。 俺はそう祈るしかなかった。

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