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第176話

「い、たたた···」 病室を抜け出して太陽のいるであろうところに向かう。どこかなどこかなって探してやっとついたそこ。部屋に入ると酸素マスクをして眠る太陽がいた。太陽以外は誰もいなくて兄貴も組の関係で帰ってたのかな。 そばにあったパイプ椅子に腰を下ろし太陽の眠るベッドに顎をつける。 「早く起きてよー」 太陽の手を握ってベッドに凭れて眼を閉じる。 明日になったら眼を覚ましてくれるかなぁ。と思っていると太陽の手がピクッと動いた気がした。 顔を上げて太陽を見ると薄く眼を開けている。 「太陽っ!!」 「···か、づき」 目があって、小さく笑った太陽が俺を見る。 酸素マスクが邪魔なのかそれを外して「はぁ···っ」と深く息を吐いた。 「今、医者呼んでくるっ」 「···架月は、大丈夫、だったのか?」 「大丈夫だよっ」 太陽にそれだけ伝えて医者を見つけに行く。 1人の看護師が俺を見て眼を見開いた。 「貴方はまだ安静にしていないとっ!」 「太陽が起きた!!」 「え?」 「あの部屋!」 太陽の病室の方を指差すと看護師は「すぐに医師を連れて行きます。でも貴方は自分の病室で安静にしていること」って他の看護師さんを呼んで俺がちゃんと病室に戻るか見張らせる。 「でも俺、太陽の双子の弟なわけで···」 「そうね、でも貴方の怪我も酷いの」 「いつなら会いに行っていいの?太陽も寂しいって思ってる」 「···じゃあ太陽さんのところが落ち着いたら、私が車椅子に乗せて行ってあげるわ」 「本当!?」 病室に戻ってベッドに座る。 「少ししたらまた来るわ」という看護師さんに「待ってまーす」と返事をして寝転ぶ。 「俺の怪我、どうってことないのに」 なんなら家に帰って兄貴とえっちしたいのに。

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