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第185話 太陽side
ぼーっと天井を眺める。
「はぁ···」
不意にため息が漏れて、寝転んでいたベッドから窓の外を見る。早く朧に会いたいっていう気持ちが日に日に大きく膨らんでいく。そろそろ退院してもいい頃なんじゃねえの、だってもうあの日から2週間が経ってる。
1人で食べる味気ない病院食にも飽きたし、自由に動けないことでストレスだってたまる。
いっそのこと脱け出してやりたいとも思うけど、そんなことしたら兄貴に怒られるのは確実、それだけは嫌だ。
そんなことを考えてムシャクシャしているとコンコンと病室のドアがノックされる。
「はい」と返事をすると少しだけ隙間が開いてそこからチラリと覗く銀髪。
「入れよ、架月」
「あれ、ばれた?」
「ノックしてる上に銀髪が覗いてたらそりゃバレるだろ」
「そっか、ノックしなかったらよかった···」
少しだけ肩を落として俺の側にやってきた架月。
「あのねぇ」と間延びした声が耳に届く。
「なんと!明日退院だよ!」
「本当か!?」
「うわ、凄い喜びようだね、でも退院しても暫くは安静だから俺たちと一緒に住んでもらうよ?」
「それでもいい、でも朧には会いたい」
「うん、それはわかってる。」
笑った架月に俺も微笑み返した。
「明日退院だから、ちょっとだけ荷物まとめとこうと思って来たんだ」
「おう、ありがとう」
「うん。あと今更なんだけど···あの、ごめんね、護ってもらっちゃって···」
「何言ってんだお前」
このバカな弟をどうしたものか。
謝られることなんで、何もされてないのに。
「この傷を受けてたのがお前じゃなくてよかったよ」
「···············」
「お前が死ななくてよかった」
泣きそうになっている架月の頭に手を伸ばす。
ガシガシと撫でてやると口元を緩めながら「痛いよ!」といつも通りに笑っていた。
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