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第186話
「じゃあ、明日また来るから!一緒に帰ろうね!」
「おう」
部屋から出て行った架月、途端部屋は静かになって寂しくなった。でも明日にはここから出られるんだ。そう思うと気持ちは昂ぶる。
「やっと、会える···」
きっとずっと大きな罪悪感に押しつぶされそうになってるだろう朧、早く大丈夫って言ってあげないと潰れてしまう。
───あれ、でもこれってすごくいいチャンスじゃないか?
ニィっと口角が上がる。
想像したことはきっと残酷で卑劣なんだろうけど、朧が二度と俺を裏切るようなことをしないように、二度と俺から離れられないように。
青信号が点滅してる。
きっとここから先は危ない、それでもやってみる価値はある。
「···待ってろ」
目から涙が静かに溢れてシーツを濡らした。
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