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第187話

「おかえり」 「ただいま」 翌日、兄貴の家に帰ってきてゆっくりと過ごす。 架月は俺に気を使って周りの世話をしてくれたけど、そこまで何も動けないわけじゃないから思わず苦笑を零した。 「飯、何が食いたい」 昼になってソファーに座っていると兄貴がそう聞いてきた。食べたいものが浮かんでこなくて近くに立っていた架月に視線を投げると「天津飯!!」と大きな声が部屋に響く。 「架月じゃなくて太陽に聞いたんだけどな」 「いいじゃん、だめなの?天津飯食べたい今天津飯な気分!!」 「わかった、太陽は?」 「俺も天津飯食べる」 そう言うと兄貴はキッチンに行って、架月は俺の隣にドサっと腰を下ろす。 「あのさ、ご飯食べ終わって少しして···もし太陽が行けるようなら、あの···朧のところに、さ···?」 「行けるのか!?」 「わっ!」 架月の肩をがしりと掴むと驚いたようで目を見開いて俺の腕を叩き「いけるいける」と言葉を落とした。 「いけるけど、太陽の体調に何も問題なかったらね」 「問題なんてない」 「まあ、俺はそう思うんだけどね?ほら、兄ちゃんが···」 兄貴は昔から心配性だ。 自分は危ない仕事をしてるくせに。それに、何をそんなに心配するのかわからないけれど、今日は何が何でも朧に会いに行くんだ!と強くそう思った。

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