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第188話

*** 兄貴に頼んで朧に会いに行けることになった。 兄貴はあまり乗り気じゃないみたいだけど、それは俺の体を気遣ってのこと。朧が嫌だからってわけじゃないみたい。 「地下にいるから、ここに連れてくる。お前らは大人しく待っとけよ」 「はーい」 とある部屋に連れられてそこで大人しく架月と朧を待つ。 「太陽は朧に何て言うつもりなの?」 「わかんねえけど、もう俺から離れられなくしたい」 「ふぅん。じゃあ朧のせいだー、とか言えばいいんじゃないの?お前のせいで痛くてたまんないとかさ。罪悪感感じて一生隣にいてくれるよ」 「···それって、卑怯じゃね?」 「そんなこと言ってられる?俺は好きな人を繋ぎ止めるためならどんな手でも使うよ」 前、病室で考えていたことは今の架月と同じようなことだった。そうすれば朧は俺から離れなくなるって思って。でもそうすることが正しくて、俺に負の感情がわかないかと聞かれると首を縦に振ることは出来ない。 「やっぱり、その方法は嫌だな」 「ふぅん···まあ、好きな様に」 そんな話をしているうちに足音が二つ聞こえてくる。 襖が開いて現れたのは兄貴と少し窶れてる朧。手は拘束されていて、でもそれ以外には怪我がないから一安心。 「太陽···」 「うん。朧、待ってたよ」 悲しそうに目を細めた朧は俺の前に座った。 当たり前だけれど、やっぱり前より元気がない。 「二人きりで話したい」 「いいよ。俺は兄ちゃんとイチャイチャしてくるね」 「ちょっ、おい、架月!」 提案をすれば架月が快諾してくれて、兄貴を連れて外に出て行った。

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