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第195話 架月side
「架月、ほら、起きろ」
「んー···無理ぃ、兄ちゃ···」
「甘えてんな早く起きて飯食え」
兄貴に額を叩かれてもそっと起き上がる。
兄貴の手を掴んで「撫でて」と言えば優しく頭を撫でられて嬉しい。
「学校行くんだろ?起こせって言ったのお前だぞ。ほら、起きて」
「兄貴も行こうよ」
「バカ言うな。とっくに卒業してんだよ」
「んー···起きるから優しくして」
ベッドから抜けて兄貴に抱き着くと「はいはい」と言って背中をポンポンと軽く叩かれる。あーそれはまた寝てしまいそうになるやつ。
「それ寝るよ」
「···ダメだ起きろ」
「向こう連れてってよ」
「お前なぁ···」
「はーやーく!」
兄貴の首に腕を回す。そうすると溜息を吐いて俺を抱っこしそのまま洗面所に連れていってくれる。
歯磨きをしてリビングに行けばテーブルにはご飯が並んでいて席につき手を合わせた。
「今日は何時に帰ってくんの?」
「今日はとりあえず朧のことを若に説明してくる。後はそれが終わってから何するか決まると思う」
「···今更太陽から離したりはしないよね?」
「当たり前だろ。そうなるなら初めからしてる。」
コーヒーを飲む兄貴がそう言って「時間が合うなら迎えに行ってやるけど」と言うから嬉しくて「やったー!」と叫んだ。
「じゃあ終わった時に連絡するよ。無理なら無理で全然いいし」
「ああ、頼む」
いそいそとご飯を食べ終えて、学校に行く準備に取り掛かった。
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